第2話 小さな星に着きました。
故郷は消滅した。
それは昨日のことだったかもしれない。
もっと前だったかもしれない。
どんな星だったかも覚えていない。
故郷のことを思い出そうとしたのもずいぶん久しぶりな気がする。
気がつくと、雨の降る星に着きました。
行き交う人はみんな、傘をさしている。
ーーー傘だ。
僕は傘を知っている。
雨のも知っている。
でも、どうしてみんな傘をさすのか僕にはわからない。
「どうして傘をさすのですか?」
僕は聞かずにはいられなかった。
「濡れると風邪をひくからだよ。」
「資料が濡れると大変だから。」
「髪が濡れると台無しだからよ。」
一つも腑に落ちなかったが
「へー。」
と、納得したふりをした。
ふと辺りを見わたすと、数十メートル先に傘をさしていない大人の人を見つけた。
僕は嬉しくなり慌てて駆け寄って尋ねた。
「どうして傘をささないのですか?」
その大人の人は少し驚いて答えた。
「...意味がないから?」
僕は少し考えた。
雨は降っている。その人は濡れている。
けれど急いでいるようには見えなかった。
「濡れますよ。」
「濡れるね。」
「風邪をひくかもしれません。」
「かもしれない。」
「じゃあどうして?」
その人は空を見上げた。
雨粒が眼鏡を伝って落ちる。
「どうせ濡れるから。」
僕は少し考えた。
意味が分からなかった。
雨の日に濡れるのは当たり前だ。
だからみんな傘をさしている。
なのにその人は、
当たり前だから傘をささないと言っている。
「それは変です。」
思わずそう言った。
その人は笑った。
「よく言われる。」
僕も笑うべきだったのかもしれない。
けれど、何が面白いのか分からなかった。
雨は相変わらず降り続いている。
傘をさす人。
傘をささない人。
同じ雨なのに、考え方は違うらしい。
僕は通信機器を取り出した。
『雨の降る星でした。傘をささない人がいました。理由は分かりませんでした。』
送信。
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次は大きな砂漠の星に着きました。
見渡す限り砂だった。
木もない。
建物もない。
人もいない。
少し歩くと1つの看板が目に入る。
《海まで3km》
最近立てかけたばかりのような小綺麗な看板だった。
ここに着く途中に海は見えなかった。
噓だとは思わない。
3km先に海はあると思う。
でも方角は書いてほしいと思った。
僕は南に向かって歩き出してみた。
理由はなかった。
ただ北よりは南の方が海がありそうだと思ったから。
1時間ほど歩いた。
海はなかった。
僕は通信機器を取り出した。
『砂漠の星でした。海まで3kmらしいです。見つかりませんでした。』
送信。
いつの間にか服が乾いていたことに気がつきちょっぴり嬉しくなった。
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次は小さな星に着きました。
そこには古びた聖堂だけがあった。




