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「玲如君にはアタシの社育課題を手伝ってもらう」
そこには普段とは異なる有無を言わさせない雰囲気の天ノ鈴さんが。
「んーー、、、ん?あーーーね ぁーーーー、、、、、?」
ま、まぁ社育生がいる事自体は知っていたけどまさかこんな身近に潜んでいたとは、、
「天ノ鈴さんは社育生ってことであってる?」
念のため確認ね。無意識に私は天ノ鈴さんの右手を振り払い、問いかける。
「そうだよ」
さっきと変わらず微笑んでいるが、どこか冷めた視線。左手をポケットから出し、両腕を組んで私を見ている。
なんのため?しかも私?赤茶や紺でなく?訳がわからないよ、、、
「なんで私?、、、、天ノ鈴さんなら他にも候補はたくさんいるでしょ?」
なんでだろ、その理由だけは絶対に聞いとかなくちゃ。少し強気に私は問いかける。
「アタシの課題、あなたに協力してもらうのが一番達成しやすいと思ったから」
微動だにせず答える天ノ鈴さん。
「なんで私だとクリアしやすくなるの?というか課題の内容を教えてもらわないと。協力しようにもしようが無いじゃん」
私は強気な姿勢を崩さない。だってこんなの明らかな面倒ごとじゃん。巻き込まれてたまるもんか。
「課題の内容は言えない」
キッパリと、これ以上の質問は無意味だと感じさせる言いぐさ。
「じゃあ手伝わない」
そっちがその気なら私だって。
若干ムキになって私はその場を去ろうとする。毅然と後ろを振り返り、階段に向かって歩き出す。
「なんで、、、?じゃあ、、、」
天ノ鈴さんが何か小さな声で言う、瞬間
「え」
私は強引に天ノ鈴さんに腰を抱かれクルッと一回転
階段の踊り場の壁に華麗に壁ドンされた。
「課題の内容はね、雫木玲如君が私と高校生活を共にする事だよ」
唐突に告げられた衝撃の課題内容。顔を私に近づけ王子様の笑みを向けてくる天ノ鈴さん。フリーズする私。そのまま話を続ける天ノ鈴さん。
「びっくりしたかな、、、?私もびっくりしたよ、まさかこんな内容の課題が廻って来るなんてね。」
びっくりしたのは貴方のその行動だよ!!なんでそんないちいち距離近いかなぁ、、、
私はもやのかかりかけた頭で考える。まぁそれくらいなら全然、と言うか天ノ鈴さんが近くにいてくれたら私の学校生活安泰じゃん!!そんな打算的なことを考えながら晴れかかる私の頭。
「これならどうだい?これくらいなら全然協力してもらえるだろうか?」
相変わらずのイケメンスマイル。まるで結果が目に見えているようだ。気に食わない。
「まぁ、、それくらいならいいけどぉ、、、、」
はぁ疲れる、、、早くこのやり取りを終わらせたかった私は心労滲み出る返答を送る。
納得したのか、引き下がってくれる天ノ鈴さん。満足げな笑みを浮かべている。
私は服についた埃をハタハタと払い、最後の力を振り絞って質問する。
「と言うか学校生活を共にするってどういう事?“共にする“の定義って何?」
少し怪訝な顔で尋ねる私に、天ノ鈴さんは笑顔で返答する。
「まぁ、気になることはたくさんあると思うから明日、私の家に来ないかい?諸々の質問に答えるよ」
モーナンデモイイヨーハヤクカエラセテー




