酒井太一の悲しき果実【宇宙モンスター編】
町の広場に現れた謎の宇宙モンスターたち。
彼らは全身がキラキラしたカラフルな甲殻に覆われているが、その顔はまるで大きなスイカの断面のようだ。
「我々は、伝説の“肛門フルーツ”を求めてここに来た!」
とリーダーのモンスターが叫ぶ。
だが、不思議なことに彼らは一切食べようとはしない。
「なぜ食べないんだ?」と太一が問うと、モンスターたちは顔を見合わせて答えた。
「我々には食べる機能がない。ただ“所有”したいだけだ」
「味わうのはお前たち人間の仕事だ。食べられぬ果実など価値なし」
そう言って、モンスターたちは肛門から排出された巨大なパイナップルやメロンのかごを乱暴に奪い取った。
町の人たちは「意味わからん!」と混乱。
太一は「俺のフルーツは食べられないけど、なんで欲しいんだよ!」とツッコんだ。
するとリーダーモンスターは神妙な面持ちで言った。
「我々はフルーツの“美しさ”と“力”を崇拝している。食べるのはお前らがその喜びを知るために必要だからだ」
太一は困惑しつつも、こう答えた。
「なんだかんだ、俺の肛門フルーツは宇宙的に重要らしいな……」
ミカが横から笑いながら言った。
「じゃあ、これから“肛門フルーツの守護者”として活躍しちゃう?」
太一は照れながらも、心の奥でワクワクしていた。
「よし、やってみるか。宇宙一シュールなヒーローとしてな!」
──こうして、肛門から果実を排出する男の、摩訶不思議な宇宙バトルが始まった。