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酒井太一の悲しき果実【しおれたミカと木の誕生】

二人のミカと過ごす日々は、太一にとってかけがえのないものだった。

だが、時間が経つにつれ、影のミカの様子が少しずつ変わり始めた。


彼女の身体はしおれ、葉の色がくすみ、声もかすれていく。

「私は……もう、長くは持たないのかもしれない」と、弱々しく呟いた。


太一は焦りながらも、どうすることもできず、ただ見守ることしかできなかった。

ある日、影のミカは静かにその姿を変え始めた。


彼女の身体から根が伸び、地面に触れると同時に、幹のようなものが生まれた。

しおれたミカはやがて一本の木となり、太一の庭にそっと立っていた。


「私はここで、あなたを見守る」と、風に揺れる葉の音が彼の耳に届いた。


太一は涙をこぼしながら、その木にそっと手を触れた。

彼女の存在は形を変えても、確かにそこにあった。

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