酒井太一の悲しき果実【毒に蝕まれるミカ】
1. 変化の兆し
ミカは最初こそ普段通り明るかった。
だが数日後、肌の質感が微妙に変わり始める。
太一が気づいたのは、ミカの腕をふと触ったときだった。
「ん……?なんだこれ……肌が冷たい?」
触れた部分はツルっとした果物の皮のように滑らかで、しかし人間の肌の温もりとは違った。
しかも、わずかに果実特有の甘い香りが漂う。
2. 見た目の変化
次第に彼女の手や腕には薄っすらと緑色の斑点が広がっていった。
その斑点は光の加減で透き通り、まるで果肉の内部を見ているかのよう。
ミカの目はかすかに潤み、まぶたも時折重そうに揺れる。
会話の合間に見せる微笑みも、どこか儚げで薄れていく。
3. 葉っぱとツルの芽生え
ある朝、太一はミカの髪の毛に小さな緑の葉っぱが一枚だけついているのを見つける。
彼女はそれを気にせず、そっと手で隠そうとした。
その翌日には、指の間から細いツルが蠢き、動き始めていた。
その動きはまるで生きているかのように絡まり、まるで彼女自身が植物の一部になりつつある印象だった。
4. 心の揺れ動き
ミカは自分の変化を受け入れようとしながらも、内心は恐怖と孤独に震えていた。
「もう……人間じゃないのかもしれない」
太一が手を握ると、その手はわずかに震えたが、彼女の瞳はしっかりと彼を見つめ返した。
「でも……あなたがいるから、まだ大丈夫……」
5. 変化の限界
やがてミカの声も少しずつ透き通り、響きも変わっていく。
「私……肛門スイーツの一部になっちゃうのかな……?」
太一は焦燥感と怒りを胸に、彼女の体に広がる毒の正体と解決法を探し始める。