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呪われた魔法使いと暮らそう  作者: 柊にと
第一章
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強くなる力

魔物を家の敷地に入れる瞬間、少し抵抗を感じた



「これは…レクトの結界かしら?」


押してみると通れそうなのでそのまま進む。


家に入り魔物の傷を確認する。

(良かった。出血はしているけど深い傷では無さそうですね。)


傷口を止血し柔らかい毛布にそっと寝かせる。


「早く元気になりますように」


癒しの言葉をかけて様子を見ることにした。





「フリージア草取り終わった?……て、なんで魔物が家にいるのさ!結界は???」




「えっと、少し結界の抵抗は感じたのですが通れそうだったのでそのまま通ってきました」




「そのまま通ったって…」




信じられないという表情のレクト


普段あまり表情が変わらないので余程驚いたのだろう。



「あんたの聖女の力は僕の結界も無効にするってことか。興味深い。」



(私にそんな力があるのでしょうか?ずっと落ちこぼれ聖女と言われていたので俄かには信じ難いです。)


「それで、その魔物はカーバンクルかな?」





「あ、はい。額の宝石や特徴を見ると多分そうだと思います。宝石が高値で取引されると聞いたことがあるので、冒険者に狙われたのかもしれません。」




「…そいつ、なんかもう元気になってるみたいなんだけど。」





「え?????」







後ろを振り返るとピョコピョコと歩き回っているカーバンクルがいた。先程までのグッタリとした姿とは大違いである。




「どういう事でしょう…こんなに私の力は強く無いのですが。私の力はちょこっと傷の治りが早くなる程度のはずです。」





「ふーーーん。



何でだろ、ね」




ニヤリと意地悪く笑われた。







(力が大きくなった原因は何でしょう?レクトの呪いと関係があるのかも…?



呪いと私の聖力に何が??)



「うーー」と頭を抱えていると元気になったカーバンクルが擦り寄ってきた。




モフモフとした毛皮が可愛い。癒される。





「元気になったし森に帰りますか?」



カーバンクルはそっぽを向いて拒否の姿勢を示した。





「じゃあ一緒に暮らしますか?」


「キュイ!」



カーバンクルは嬉しそうに鳴きフリージアに擦り寄る。


「あなたも嬉しいのですね、私も嬉しいです。


一緒に暮らすとなると名前が必要ですね。


うーーん…


カーバンクルだから、ルーちゃんはどうでしょう?」


「キュキュイ!!」




ルーは名前が気に入ったようである。





「ちょっと、ペットを飼うならまず家主の許可を得ようとは思わないわけ?

しかもすごく安易な名前だし。」





「確かにそうですよね…


喜びのあまり失念してました。


あの、ダメでしょうか…?私が世話をしますし、ご迷惑かけませんから」



ウルウルとした目で訴える1人と1匹。




「………好きにしたら。トイレはちゃんと覚えさせてね。あと僕の部屋には入れないで。」





やったーと思わず飛び上がって喜んでしまった。



つい最近まで人形だった自分が嘘のようである。


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