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呪われた魔法使いと暮らそう  作者: 柊にと
第三章
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眠り姫

レクトは白竜の宮殿で目を覚ました


「ルーナ!ルーナは!?……痛っっ!!……」


飛び起きた瞬間、全身に傷の痛みが走る


隣には同じく全身に包帯を巻かれたアレスが寝ていた


痛みを堪えレクトはベッドから降りてルーナを探す


「ルーナ、ルーナ」


「レクト起きたのか!お前酷い怪我なんだぞ!まだ寝てないと」


「セフィ、ルーナは??」


「聖女様ならあっちの部屋でまだ寝てるよ」


部屋にはすやすやと眠るルーナが居た

「ルーナ…良かった。生きてる」

レクトは愛おしそうにルーナの髪を撫でる


しかしルーナは全く起きる気配がない


「…聖女の力を沢山使ったとしてもこんなに起きないなんて…ちょっと変だな」


「やっぱりちょっとおかしいよな?レクトは3日寝てたんだ。聖女様は怪我はしてるけどレクトやアレスほどじゃ無いし、そろそろ起きてもいいよな…」


「3日!?そんなに寝てたなんて…」


「アレスは怪我から熱が出てて、もう少し回復に時間がかかりそう。あとソフィアは次の日には元気になって自分の家に先に帰って行ったぞ。また様子見にくるって言ってた」


「ソフィアも無事で良かった。


…それにしてもルーナはどうしたんだろう?」


揺すってもくすぐって全く起きない

「ルーナ、起きて!ルーナ!」


(せっかく生きていてくれたのに。このまま目を覚さなかったらどうしよう……)


「レクト傷が開いちゃう!」


「レクトまだ安静にしていなさい」

カトリーヌが現れレクトを担ぎベッドへと強制的に戻す


「まずはあなたの傷を治すこと!ルーナの事はそれからよ」


「…そうだね…」


「なぁレクト、魔法でパッと自分の傷治せないのか?」


「…ソフィアも得意じゃ無いらしいけど、僕は回復魔法が物凄く苦手なんだ」


「そうなのか!?レクトにも苦手な魔法があるんだな。それでもあのルシファーに勝つなんてすごいよ!」


「運が良かったんだ。実力じゃ全然敵わなかった…まさか呪いに助けられるなんて思わなかったよ」


「呪い?」


「僕の力の源はね、苦しんで死んでいった女の子達の魔石なんだ。だから色々な魔法が使えるんだけど、そのかわり頭の中で怨嗟の声がずっと響いてるんだよね。

ルシファーは僕からその呪われた力を奪って自滅したってわけ」


「レクトは大丈夫なのか?」


「大丈夫じゃなかったよ。ルーナと出会わなければ死んでたか、自我のない化け物になってたな…」



「レクトさーん!!」

声がした方を見ると窓の外から赤い竜が舞い降りる

竜は人の姿になり窓から部屋に入ってきた


「ルイ!?」

「え??竜!?レクトの知り合い??」


「ソフィアから聞いたんだ。レクトさん姉上は!?」


「ルイ、ルーナは怪我は治ってきてるんだけど意識が戻ってない」


「そんな…何で…」


「竜が来たと報告があったが何の騒ぎだ!」

白竜とカトリーヌが騒ぎに駆けつける


「あ、ごめんなさい。僕気が動転してて…。赤竜のルイです。…ルーナの弟です。」


「若い竜よ…気持ちは分かるが玄関から入りなさい」

「すみません。」

ルイはしょぼんとする



「父上そんなに怒ってなかったし大丈夫だよ。俺は白竜のセフィ宜しくな」

「ルイだよ。セフィよろしくね」


「ルイ、回復魔法は使える?僕とアレスの傷を治して欲しいんだけど…」


「わー!アレスがミイラになってる!大変!」


ルイは回復魔法をアレスとレクトにかけた


「ルイありがとう傷だいぶ良くなった。回復魔法得意なんだね」


「うん。…レクトさん、姉上は?」


「こっちの部屋だよ」


「姉上!ケーキを買ってきました」


枕元にケーキを置いてみるがルーナは起きない


「ケーキで起きないなんて…おかしいなぁ」


「本当だね。いつもなら絶対飛び起きるよね…。セフィ、怪我が良くなったからアレスが起きたら僕たちは帰ろうと思う」


「そうだよな…寂しくなるけど仕方ないよな。」


「また来るからね。もし魔法が学びたくなったらルイと同じ魔法学校に入ってもいいし。

またよく白竜様達と相談してみて」


「魔法学校!?ルイ行ってるのか?」


「人間の学校だからバレないように変身して行ってるよ!回復魔法もそこで覚えたんだ。」


「いいなぁ。父上と母上に相談してみるよ」



アレスが起きたのでレクトは白竜に挨拶をしルーナを連れて家へと帰った




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