二の話
一は、特別。
一は、誰よりもすごいこと。
一は、千万分の一の確率。
一は、なれない。
俺は一にあこがれた。
一番にあこがれた。
一番になりたかった。
大事なたった一人の一番になりたい。
だけど、俺は二番。
まだ二番なんていいほうか。
二は、特別の代わり。
二は、本物になれない。
一番者は、愛される。
二番者ははっきりいって、一番を引き立たせるために存在する。
それが、二番、三番の役。その他の役。
役名もないものもいる。
俺は二番だが役もない。
名前もない。
「なら、責任もないけど」
俺は笑う。
そこへ、小さな少女が来る。
「二の集まる場所!と聞いてきました!」
俺は二の来る場所に、一が来たことに気づく。
ので
「ここは一の来るとこじゃないぞ二以下が来るとこだ!一はだめだ」
俺は必死にいう。
「一の君はだめだ!」
「えー!何でですか!?」
「二以下が集まり!ここでは!不満をいいまくる場所だ!」
「えー!聞きたいです!」
「は?一は愛されるし、好かれるし、なんか英雄になるし、強い力持つし、一はうらやましいんだよ!」
「いち?ってなんですか?」
「主人公のことだ!主人公はお断り!」
ソラはぽつんとそこにいる。
小さな浮かぶ犬は現れる。
「おぬし、行こう」
「むう!ひどいよ!」
「…二のいいたいこともわかる」
「むうー!話聞きたかったよ!」
ルーは後ろを見る。
「二や、他が集まる場所か。我も話聞きたかったな」
「そうだよね!」
「我も二以下だからな」
ルーは行ってみる。
____
俺の方に小さな犬が来る。
「…………ギリギリ二以下?か。だが!お断り!名前あるから!」
ルーはさらっと。
「そうか」
ルーは行ってしまう。
俺はそのクールな態度に。
「なんだ!クールでかっこいいな!かっこよすぎ!」
俺はかっこよくてうらやましく感じた。
二人の後ろ姿を見つめて、俺は二以下として、それでも生きていく。




