歯車の話
歯車は一つではなにも動かせない。
歯車は他といっしょに回る。
赤い歯車を三つないと、この場所からは消される。
いらないのだ。
赤い歯車を渡し、歯車をもらう。
それがこの場所の人のありかた。
それによって、この場所の中央にある大きな四つ葉の形をしている置物にはめないといけない。
19才になって、突然赤い歯車を誰かから三つもらって、その場所にはめないといけないといわれた。
一人の私は
はめられない。
三つないといけない。
「…………………ない」
私は自分の赤い歯車しかない。
誰かへ話しかけれない。
だから、消えることになる。
歯車は置物にいくつもはめられている。
私はその前で歯がみをする。
私は。
憎む
こんなルールがあるこの場所を
憎む
憎む
憎む
恨む
許さない
「…………私に消えろってことでしょ?お前らこそ………消えちゃえ消えちゃえ………消えちゃえ」
私に消えろというなら
赤い歯車をギュッと握りしめる。
「消えちゃえ!消えろ!お前らこそ消えろ!」
私の体は透けていく?
私は静かに消えるようだ。
私は赤い歯車を手に持ち、思いきり置物にぶつける。
「お前らこそ消えてしまえ!!」
消えていく私の最後の叫び。
それを聞くものはいない。
私はぶつけると地面に赤い歯車を落とす。
「…これは?」
声がして。
私は隣を見ると小さな少女がいた。
少女は私を見ている。
私は最後の言葉をいう。
「みんな、だいっきらいよ」
ソラは赤い歯車を手に持つ。
消えていく。
「あ……きえないで………」
ソラは、つぶやく。
ソラの手にはなにもない。
なにもない。
ソラは四つ葉の形の置物に赤い歯車がはめられ、回るのを見つめる。
歯車は回る。
他の歯車と歯を合わせて回る。
ソラは見つめていた。
歯車の置物の部分にいくつも小さな傷がついていることはきっと誰も気づいてない。
気づいてない。
消えてきたみんなが傷をつけてきたことをこの場所の誰も気づいてない。




