表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の存在  作者: 進道勇気
89/215

歯車の話

歯車は一つではなにも動かせない。

歯車は他といっしょに回る。



赤い歯車を三つないと、この場所からは消される。

いらないのだ。

赤い歯車を渡し、歯車をもらう。

それがこの場所の人のありかた。


それによって、この場所の中央にある大きな四つ葉の形をしている置物にはめないといけない。



19才になって、突然赤い歯車を誰かから三つもらって、その場所にはめないといけないといわれた。


一人の私は

はめられない。

三つないといけない。



「…………………ない」


私は自分の赤い歯車しかない。

誰かへ話しかけれない。

だから、消えることになる。


歯車は置物にいくつもはめられている。


私はその前で歯がみをする。


私は。

憎む

こんなルールがあるこの場所を

憎む


憎む

憎む

恨む

許さない


「…………私に消えろってことでしょ?お前らこそ………消えちゃえ消えちゃえ………消えちゃえ」


私に消えろというなら

赤い歯車をギュッと握りしめる。


「消えちゃえ!消えろ!お前らこそ消えろ!」


私の体は透けていく?

私は静かに消えるようだ。

私は赤い歯車を手に持ち、思いきり置物にぶつける。


「お前らこそ消えてしまえ!!」


消えていく私の最後の叫び。

それを聞くものはいない。


私はぶつけると地面に赤い歯車を落とす。



「…これは?」


声がして。

私は隣を見ると小さな少女がいた。

少女は私を見ている。

私は最後の言葉をいう。


「みんな、だいっきらいよ」






ソラは赤い歯車を手に持つ。

消えていく。


「あ……きえないで………」


ソラは、つぶやく。

ソラの手にはなにもない。

なにもない。


ソラは四つ葉の形の置物に赤い歯車がはめられ、回るのを見つめる。

歯車は回る。

他の歯車と歯を合わせて回る。


ソラは見つめていた。


歯車の置物の部分にいくつも小さな傷がついていることはきっと誰も気づいてない。


気づいてない。

消えてきたみんなが傷をつけてきたことをこの場所の誰も気づいてない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ