かっこよくなりたい話
ある村
俺は支度をする。
支度しながら思うのは
俺はかっこよくなりたい!
かっこよくなりたい!
そして!
………やっぱり女性にもてたい……………。
本音…………でも!
かっこよくなりたい!
もてたい!
俺は心の中で…………
妹が話しかけてきた。
「お兄ちゃん、何しゃべってるの、ほら早く支度して」
俺の心の声が全て出ていた。
恥ずかしい
「はい…………」
俺は村で暮らす普通の顔のよくない男……
なのに、妹は美人という。
「性格ハキハキで美人だよな、お前」
「ほめたって何もないんだからね!」
俺はいつのまにかほめてたようだ。
「結構家では片付けできないのに」
「お兄ちゃん、だからなに?かな?」
怖い
妹怖い
よくいうかわいい妹という存在にあこがれる。
性格的に
妹はズバズバいう。
「ていうか!手先不器用!人との距離感わからない!ずーっと恋人もいないお兄ちゃんにいわれたくない!」
その通り過ぎて………
俺は地面に倒れる。
うう、そこまで…いや、その通りだけど……うう。
妹にいわれると響く。
村では丸い野菜とよばれる植物を育て、村人全員で収穫していく。
俺も丸い野菜を地面から抜くために丸く飛び出る部分を引っ張る。
引っ張ると長い丸がつながっていて、まだつながっている。
「なが!」
俺は引っ張っていく。
妹はそれを見て、四角の黄色い箱を持ってきて、俺の抜いた丸い野菜を持って行く。
長く、なんかみんながよってくる。
「あ、まだ長いんだけど…………」
俺は引っ張る。
まだだ。
え
すごい
長い
そういえば………この長いのを引っこ抜いた前の人いたな
たしか彼は…………みんなにもててた!
つまり、長いのを抜けば、
俺ももてる!
かっこよくなる!
俺は声を出し力を出し切る。
「うおおおおおおお!」
と思ったら軽く抜けて、隣のおじいさんは長さを測り「一センチ届かなかったのう」と笑われた。
一センチか……………
なんか悔しいな………
うわああああ!
俺かっこよくなれなかった!!!!!
だが、他のも抜いていくが、他は短いものばかり
俺…………かっこよくなれないな
村の人たちとこうして収穫してるが、話すのは苦手で。
でも、話しかけてくれるし。
「……………はい………残念、でした」
おじいさんに「次はわからんぞ、頑張るのじゃ」といわれた。
………なんか、恥ずかしさがある。
全て抜き終わると少し、座る。
そこへ妹が来る。
「おー。お兄ちゃんがんばったね」
「そうか………?」
「うん!前よりは少し、ましじゃないかな」
ましって……
いや、相当悪かったんだな。
きっと
妹は笑う。
「隣もあるから!お互いがんばろうね」
俺は笑っておく。
「お、おう!」
俺は少し、休みのため歩いてると小さな少女がいる。
村を歩いて行ってしまう。
「子供か?この村で見たことないな」
行ってしまう。
行っちまった。
そこへ妹が来る。
「お兄ちゃん、いたいたー」
俺はいう。
「なあなあ、さっき小さい子がいてさ」
妹は自然にいう。
「ソラちゃん?ソラちゃんね、さっき収穫してる私たち見ていったの」
え、いたのか
「そうなのか?」
「うん!丁寧な子で、すごくかわいかった!」
「気づかなかった」
妹はいう。
「お兄ちゃん、集中してたもんね!うんうん」
「ああ………長さが一センチ足りなくてさ、俺かっこよくなりたかった………」
妹はニコッとする。
「かっこよくなれなかったが、わかったから…いいんじゃない?」
「え?」
どういうことだろ
妹は続ける。
「かっこいいになれないってことは、これからなろうとできるってこと!かっこよくなれないの気持ちがわかる方がきっと!」
妹は拳を上へと作っていう。
「もっと成長しようとするよ!」
なるほど
えっと?
かっこよくなれないがわかれば……
これからかっこよくなろうと
していける?ってことかな
妹にそういわれ、俺は妹へ笑う。
「そう…だな。ありがとな」
「お兄ちゃん、ほら!行くよ!」
「ああ、行く」
俺はかっこよくなれないけど、でも…
一生かっこよくなれなくても
そうだな………
とりあえずやることしよう
うん
そうしよう




