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空の存在  作者: 進道勇気
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音の話

小さな少女。

ソラは、歩いている。

その隣には犬の姿の浮いているルーがいる。


二人は歩いていくと、一本の柱がある。


その柱には四角い枠がある。

そこには五本の縦線が書かれている。


「なんだろ!これ!」


ソラは柱でクルクルと回る。

ルーはじっと見つめ、右横に三角の形が空中に浮いていくつかあることに気づく。

ルーは三角にふれようとすると。


“「やあ!ここは音の場所!その縦線に三角を置いていくと音楽が流れるよ!ぜひぜひー置いてー」”


誰か分からない声に、ソラはびっくりする。


「誰です!?」


“「ボク?まーまーいっからやってごらーん」”


ソラは三角を見ると掴む。


「あの…置くんですか?」


“「好きに置いてー」”


「は、はい!あ、ルー置く?」


ルーは後ろへ下がる。


「おぬしが置くといい」


「うん!」


ソラは縦線に三角を近づけると磁石のようにピタリとくっつく。

ソラは目を輝かせ、好き勝手に置いていく。


「できました!」


“「おー。じゃあ、音楽!」”


縦線に置かれた三角は回転しだし、黄色の光が現れる。


ソラは、怖くなりルーを抱く。


「抱きが…少し強い…おぬし」


ソラはすぐに謝る。


「あ!ごめんね!ルー!」


黄色の光はふわふわと浮かぶと、柱のまわりを包む。


そして音がした。


音は静かな心が締め付けられるようにはじまり、少しずつ、音は激しさが出てくる。

その音は、うまく言葉でいえない。

けど、流れていく音楽は悲しく、けど強さも感じさせる。最後は静かな音楽へと少しずつ落ちついていき、終わる。


その音楽にルーは一言。


「生きる苦しさ……みたいな音楽だな。生まれて………死ぬまで……みたいな」


ソラは?とする。


「すっごく!すてきな音だったね!あのね!えと、おっきい音が……んーと、んー?なんていうんだろう」


ソラは考える。

ルーは何となく。


「強いとか?か」


「それ!強い!」


声はする。


“「ここの音はいつも違うんだ。ボクはここへ来る誰かの音を聞くのが好きなんだー。君たちの音もよかったね。うん。いい音を聞けたよ」”


ソラは不思議がる。


「この音はどーやってるんですか?」


“「ここは来た誰かの力と…あ、でもこの柱がどんな仕組みなのかはよくわかんないー」”


「わからないんですか………不思議ですね」


“「うん!」”


ソラと声は別れた。

声は明るくいう。


“「またいつかー」”


ソラは手を振る。


「さようならです!」





ソラとルーは進む。


「音………なんかすごかったね!」


ルーは後ろを向く。

どこか、眉を下げる。


「そうだな」


ソラは楽しそうに進む。

ルーは後ろを振り向く。

小さく、遠くなる柱を見つめる。


「ずっと、聞いていたいな………」


ソラは、ルーが離れてて気づく。


「ルー?行こうー」


「行く」


ルーは振り向くのをやめる。

進むために。

ソラが進むようにルーも進む。

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