騙される話
だまされる。
だまされる。
だます。
だます。
彼女は騙すのは結構上手い。
俺は彼女。
自分の恋人ではないが、彼女に泣かれると…弱い。
騙すとは。
全てを奪われること。
騙される。
守ろうとして、金まで渡して、はあ……。
俺って
彼女は、美しき女性だ。
「私、このままだと………」
「私、あなたしかいないの!」
「私、あなたを愛してるわ」
あんな目でいわれたら……だまされちゃうよね!?だまされてもあ、でも!だまされるのもありかなってなっちゃうよね!?きれいなんだもん!
かわいいんだもん!
ああ、俺って騙される人間だ。
「愛しているわ。頼れるのはあなたしかいないの」
うわあああああ!
だめだって!そういうの!
俺みたいなさえないし、地味でお金もそこまで持ってない男にそれはだめだって!
俺だまされちゃうよ!?ヒョイヒョイだまされるよ!?うわ!
「あなたって優しい………どうしてこんな私に優しくしてくれるの?」
騙された
騙された
今も騙されてる。
「俺はバカだよな。でも…きれいなんだよな。本当に」
騙される果てなんて、ろくなことない。
俺は女性に弱い。
泣かれたらもう、終わり。
恋に落ちる。
「俺はだまされたか…でも」
俺はバカだ。
やはり、きれいな女性に頼られたら……
「だまされても………って思ってしまう…………」
といっても、もう俺はすっからかんだからあとはここで終わるだけだ。
彼女は来ない。
俺は目を閉じる。
騙された俺は一人でそっと、息を絶える。
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ルーは男を見た。
まだ、生きてる。
「………………」
男はルーを見た。
まるで、自分に言い聞かせるように。
「彼女は悪くないんだ………まわりが悪い…まわりが……………わるかっ………たん……だ」
ルーは男の言葉は聞いて、後ろを向く。
そして、主の元へ戻る。




