ソラとルー
ソラとルーは進む。
荒野を進む。
ソラはいう。
「ねえねえ。ルー」
ルーは隣にいた。
ソラの話を静かに聞く。
「ルーは疲れてない?」
「疲れてないな」
「飛んでるもんね……ルー………いいな」
「そうか」
「いいなー。いいなー。」
「そうか」
「いいなーいいなー!ルーいいなあ!」
「うるさいぞ。おぬし」
「うるさくていいもん!ルーはなんで飛んでるの?」
「我の力だから…な」
「むう。」
頬をふくらませるソラは聞く。
「ルーは何が好き?」
突然話題が変わる。
「我……の好き?」
ルーは考える。
だが答えが出ない。
「我…好きなもの………あるのか?」
「え!?ないの!?」
「………好き?…………か?」
どうやらルーは好きがわからないらしい。
ソラは笑顔。
「私はね、ルーが好きだよ」
「飽きないな…おぬし。我のこと嫌になるとかないのか?」
「ない!」
ソラは即答。
ルーは静か。
「どうして、我は……………」
ルーは目を開く。
_好きがわからないのか?_
ルーは一瞬震えたが、いつも通り静かにいう。
「おぬしは好きがわかるのか」
「わかるよ!何となく!」
「何となくで我が好きなのか…………」
ソラはルーを頭にのせる。
「よーし!ルー行くぞ!」
「…?これに何の意味が」
ソラはルーを頭にのせて進む。
「意味ない!」
意味がないのにソラがすることにルーはいう。
「意味がないのにするのか?」
ソラはニコッとする。
「する!」
ソラは明るい。
彼女は面倒なことも裏側も関係ない。
何もかも腐りきっていても、ソラは光だ。
ソラは光。
ルーは闇。
ソラは笑う。
「行くよ!ルー!」
ルーは沈黙を続け、小さく答える。
「………………………………………………ああ」
進む。
光と闇は一緒だから輝ける。




