ソラとルーと誰か
椅子がある。
いつものこと。
シンという少年がいる。
ルーがいて、ソラがそこにいた。
シンは。
二人を見ると、走りだす。
「ソラちゃーん!ルー!」
シンは走りだしたが。
転んだ。
ソラは膝をついて、シンの頭をなでる。
「痛そうです。シンさん」
「うう……………ソラ。かわいいなあ、もう俺は大丈夫さ!」
シンは立ちあがる。
「はっはっはっ!俺はいつでも元気だ!」
ソラはにこっとする。
「よかったです」
ルーは。
じーっと、シンを見ると静かにいう。
「何か用か?」
シンはありのままいう。
「俺、今まで女の子とつきあったこともないのに…………うう。せめてソラになでられたい!」
シンは座り込む。
ソラは頭をなでる。
「なでます!」
シンは感動のあまり目元をふく。
「うう。ソラちゃーん」
ルーはあまりにも悲しい姿をするシンの肩に自分の手を置く。
シンは喜ぶ。
「ソラにルーまで!うう!うれしい!」
が、シンは本音をいう。
「出来れば大人の女性にもなでられたい!」
ルーはブチッとする。
「そうか。我と主では足りないか。そうか。我が主。もう行こう」
ソラは「え?…わかった。ルー!」と行ってしまいそうになり、シンはあわてて叫ぶ。
「待ってくれ!」
ルーは怖い顔で。
「我たちでは足りないんだろう?」
シンは必死に謝る。
「ごめん!ごめんなさい!じゅうぶ……いえ!あなたたちがいいです!文句いってすみません!ほんと、まだ帰らないでください!」
ソラはにこりとする。
「帰らないです」
シンは「あ、ありがとう…」と感謝の言葉をいう。
シンはルーのことは胸元に抱くと、ソラには頭をなでられるという天国にいた。
「あはは……えへへ………かわいいソラと、かわいいルーまで……………あはは」
幸せそうにしているシンにルーはいう。
「我を抱くな」
「ルーはいやされるんだよー」
ソラは隣に座って、シンの頭をなでている。
「シンさん!私はどうですか!?」
「ソラはちっちゃくて素直でかわいくて、いやされるよー………なんだこれ幸せすぎるだろ」
シンは溶けそうになるほど時間を満喫した。
で、それからソラとルーは先へと進むため、シンは見送る。
「あー!行かないでほしいよ!」
ソラは。
「行ってきます!シンさん!」
シンはいう。
「気をつけてな。ソラとルー」
ルーは素っ気なく。
「……ああ」
ソラとルーの後ろ姿へ。
シンは手を振るとつぶやく。
「行ってらっしゃい」




