彼女の優しさの話
優しさとは、大事なもの。
優しさとは、誰かを思うということ。
優しさとは生きることに必要なもの。
優しさとは、あるべきもの。
優しさとは、なくなってはいけないもの。
優しくないものは
彼女は優しくないものへ笑顔を向ける。
優しさとはあるべきもの。
ないものは、優しさが見られないものは。
この場所から解放してあげるのだ。
ここにいられない。
優しさとは必要なのに。
どうして優しくない。
優しくなれない。
この場所は、優しさこそが…
なのに。
「どうして優しくないんですか?」
女性へと私は質問する。
「人に優しくなんてしてられない!」
女性が何をいってるかわからない。
優しくしてられない?
「どうしてですか?優しくなろうと思わないんですか?」
「優しくなんてなれない!」
「…そうですか………。本当になれませんか?」
私は、優しくないものは解放してあげる。
「わかりました。きっと、あっちでは優しくなれますよ」
私は、彼女の頭を優しくなでる。
「安心してください。次は優しくなれます」
私は、優しさのために動く。
優しさのために、優しくなれば誰も悲しまない。
優しくないと…。
そうでしょう?
話の結末は。
優しすぎた彼女は自分から命を絶った。
優しすぎた。
何もかもわかりすぎた。
だから、彼女は絶望した。
ソラはその国のあった場所を見ていた。
何があったかは知らないが。
「優しすぎた彼女は、決めたの………」
女性はいう。
ソラは聞く。
「優しさ?」
「優しさこそが生きる方法だったから」
「?」
「ごめんなさいね。こんな話」
「いえ!聞けてよかったです!」
「そう………。さようなら」
ソラは行ってしまう。
女性は優しい彼女の姿を思い出す。
「彼女は優しくいようとした………何もかもわかっていた………でも」
女性は小さく笑う。
「優しさも関係なく、全て終わった………これはあの方の優しさ………最後まで優しさをつらぬいた…」




