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双子の話
双子の二人は手をつなぐ。
それが、二人という存在。
手をつなぐことでこの世界に存在できる。
青を基調としたドレスに赤のローブを重ねる双子の男女。
彼と彼女は手をつなぐ。
二人は手を離さない。
手を離すことはない。
離せば………。
ソラは、双子の二人と出会う。
「…こんにちわ………」
「こんにちわ」
双子の二人に挨拶され、ソラは気持ちのいい挨拶を返す。
「こんにちわ!」
双子は通り過ぎない。
双子の二人は、ソラの手をつかむ。
ソラは、びっくりする。
「えと!」
双子はニコリとして同じことをいう。
「…………私たちここいる……」
「僕たちここいられる」
双子はそっと、ソラの手を離す。
双子の二人は行ってしまう。
「………ありがとう……」
「ありがとう」
双子は行ってしまう。
ソラは、赤いローブの後ろ姿を見つめた。
ソラは、にこっとしていう。
「さよならです」
双子はお互いの手を離さない。
離さない。
離さない。




