らせんの話
螺旋が荒野にある。
細く、ぐるぐるまわるように空までつながる。
らせん。
小さな少女は、見つめる。
小さな少女は
ソラ。
三つの螺旋は上へ伸びゆっくり回転して、重なるようにある。
その螺旋の前には白衣の少女がもう一人。
「三つの螺旋か。そうか。十螺旋、五螺旋、八螺旋、他にも見たが、三つというのも珍しい!ははは!」
白衣の少女はソラに気づくと、にいと笑う。
「君!見てごらん!この存在は珍しいんだ!この三つは知能。体力。そして、感情を意味する!ははは!君はどれが一番重要と思う!?」
ソラはいっきにいわれ、固まる。
「え、え、と…………えっと」
白衣の少女は手を広げる。
「遅い!正解は全てといいたいが、私は感情と思う。人間も人間以外も感情で善と悪を起こす!全てではないが!ならば!感情こそ!狂わせるもの!ははは!」
白衣の彼女は涙を流す。
「私はうれしいんだ!こんなものがあるなんて!ははははは!もう二度と見れないかもしれない!だからこそ!感情あるからこそ!こう思える!」
ソラは静か。
白衣の少女は、手を払うようにする。
ソラへ興味なく冷たい目で。
「あ、君はもういいよ?どこかへ行ってくれ」
ソラは、すっと、どこかへ行く。
ソラは、涙を流し喜ぶ白衣の少女の横顔を見て、行ってしまう。
白衣の少女は。
「螺旋!螺旋よ!あははっあはははははははははははははははははははは!」
笑い声は続く。
続く。
ソラは振り向かず進む。
振り向かないで広い荒野を進む。




