ルーの思い出す話
前に一緒にいた相手は、最後には壊れた。
それからは、漂った。
これはルー。
我の話。
前の彼は願いによって力を傷つけることに使った。
我はそんな彼を止められなかった。
止める気もなかった…が。
あまりにも…
彼の傷つける方法は。
復讐は………。
それから、出会ったのは小さな少女。
アイだ。
前はアイと呼ばれていた少女。
彼女は。
「私、いなくなりたくない!」
そう、叫んだ。
我は、その言葉に引き寄せられた。
_いなくなりたくない_
その言葉に我は。
言葉だけじゃなくて、余裕がなかった。
我にはただ、余裕がなかった。
彼女に何かを思ったというよりも。
我も消えたくなかった。
少女。
彼女は我に名前をくれた。
我も彼女にソラという名前を渡した。
我は。
ルー。
少女は。
ソラ。
いなくなりたくない。
消えたくない
その気持ちで、それだけで二つは出会った。
名前は大事といわれたことがある。
名前は、力がある。
力をくれる。
なんて、我は思い出す。
そんな我は夜空の緑と赤の混ざる星を見つめる。
「ルー。きれいだねー」
ソラと何度、星を見たのだろう。
何度も見た。
飽きない。
「きれいだな」
「うん!ルー」
ルーと呼ばれることは………。
結構悪くない。
ソラの笑顔を見ることも。
ソラといることも。
「ルー!あっちも星!いこー!」
「……………ああ。行く。おぬし」
我とソラは進む。




