信じる話
「…………誰も……どうして」
時計が敷き詰められた場所。
「時間を止めたのは俺じゃないんだ」
時計の敷き詰められた場所から声がする。
“「お前だ」”
“「お前だ」”
「俺は、止めてないんだ…!」
俺は逃げる。
逃げる。
逃げる。
時計の敷き詰められた場所から出れない。
逃げる。逃げる。
逃げる先に小さな少女。
「わ、?」
少女は驚く。
俺はしゃべる。
「とめてない、とめてない!信じてくれ!」
少女は、答える。
「信じます」
その言葉が欲しかった。
欲しかった。
誰か
誰でもいいから
信じてほしかった。
少女は、にこっとする。
「?わかんないですが!信じます」
「どうして、」
「あなたの目がまっすぐだからです!」
誰か一人でも、
悪くいわれても
信じてもらえなくても
誰か、
いってほしかった。
俺は、膝をついて顔を覆う。
少女はあわあわとする。
「え、えっと…!」
俺は、みっともない顔で何とか笑う。
「ありがとう…………」
時計は、密着していたが、離れていく。
隙間がうまれ、バラバラと時計は宙に浮かぶ。
その時計は、針が動きはじめる。
少女はそれを見た。
不思議な光景だ。
俺は、そこで気付く。
「……………あ、止めたのは、俺?」
俺は、動き出す時計を見て、ようやく思い出す。
「時間を止めたのは、俺、だったのか」
俺は。
自分じゃないと、信じてといったが。
「だけど………止めたとき」
そうだ。
誰も俺を信じてくれなかったんだ。
思い出した。
俺は少女へ、お礼をいう。
「信じてくれてありがとう…」
そうだ。
俺は。
あの時、信じてほしかった。
一人でも、信じてくれたなら……俺は進める。
ソラ。
ルー。
ソラはいう。
「ルー。あの人はどうなるの?」
ルーは。
「進むのかもしれないな」
「すすむ……よし!ルー!私たちも行こ!」
「もう行くのか?」
ソラは、広い広い荒野を見る。
「行く!」
ルーは小さく答える。
「……我も行く」
ソラとルーも進む。




