緊張の話
ドキドキ
わくわく
緊張の時って怖いだけじゃなくてなんか、変に無理に楽しもうとしようとする気持ちになるって知らなかった。
不安は大きい。
でも。
緊張
緊張
彼は、魔法使いの試験の練習中だ。
試験内容は、魔法の力をいつまで保てるか。
彼は氷の魔法使い。
彼の前に氷でできた鳥の形をしたものがある。
この形をいつまで保てるか。
彼はドキドキしていた。
心を抑えていたい。
なのに。
氷が溶けていく。
「あ!」
溶けて、水が地面に落ちる。
「うわー!だめだ!」
彼は一人で叫ぶ。
緊張して緊張してる。
「うわー!」
そこへ、小さな少女が来る。
「さっきのなんですか!すごいです!」
なんかとても目を輝かせてる。
彼は、困り顔だが。
「あ…………試験があって」
小さな少女、ソラは聞く。
「しけん?」
「そう!これができないと!進級ってやつができないんだ!」
「わからないですが!がんばるです!」
「なんか………ありがとう!頑張る!」
ソラは遠慮がちに。
「もう一回みたいです………あ!でも!だめなら」
「いや、…うん。いいよ」
彼は氷の鳥をソラの前へと現せる。
「わー!きれいですー」
彼は、気づく。
なんか、心が落ち着いたからか、溶けない。
「………なんか、落ちついた。ありがとう」
「いえ!邪魔してごめんなさい」
「邪魔じゃないよ。落ちついた。頑張るよ」
「はい!」
ソラは行ってしまう。
彼は
落ちついた。
「よし!また練習だ」
彼は練習を続ける。
また、溶けたが。
何度もする。
緊張はなくならない。
不安は大きくなる。
でも、うん、頑張ろうと思う。
「頑張ろ…うん、それしかない」




