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空の存在  作者: 進道勇気
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弱い話

小さな二足歩行の青色の動物は地面に転がって空を見ていた。


「弱いくせに挑んでくんなよ」


その動物を見下ろすのは同じく青いが、大きな二足歩行の動物。


青色の小さな二足歩行の動物は、いつも自分へ嫌なことをいってくる大きな体をもった二足歩行の動物へ戦いを挑んだ。

だけど、負けた。

負けて、地面に転がっていた。


大きな青色の二足歩行の動物は見下ろしてくる。


「お前弱すぎんだよ」


「…………………俺、は」


小さな二足歩行の動物は、体を起き上がらせ、立ちあがる。


「俺は………………!」


小さな握った手を大きな二足歩行の動物へ向ける。

が。

小さな二足歩行の動物は体を上へ上げられて、投げられる。

地面へと打ちつけられる。

それでも、立ちあがろうとしたが、倒れた。


「弱いくせに挑んだんだってー」


「弱いならおとなしくしてろよ」


と、他の青の二足歩行の動物たちはひそひそとする。


他よりも小さな二足歩行の動物はそれでも、大きな二足歩行の動物へ挑む。

馬鹿にされてきたから。

体が小さいから。

弱いって。

だから挑む。

挑んで負けても。


そこへ、誰か来る。

小さな少女だ。


「わあ、なんかちっちゃい」


ソラは、そこへと来るとみんな逃げていく。


「あっ待ってください!」


ソラとルーはそこに残る。


「…行っちゃった…………」


ルーは。


「驚くだろう」


が。

ある小さな動物は逃げてなくそこにいた。


「あ、まだいる!」


ソラは、近づく。


「お、俺は弱くないんだからな!」


と、小さな動物はソラをにらむ。

ソラは、頭をなでる。


「ちっちゃいですね」


「俺は小さくないし!弱くないし!」


「あ…すみません」


ソラは素直に謝るので小さな動物は、なんか…。

 

「弱くないんだからな!」


「はい。弱くないんですね」


「馬鹿にしてるだろ!」


「してません」


その動物は、ソラの方が大きいため腹がたつ。


「俺は!」


「弱くないんですね」


「弱くないぞ!ここから出てけ!」


「えー。そんな…」


ソラは悲しくなる。

小さな動物は、必死でいう。


「出てけ!ここは俺たちの住み家だ!」


「………わかりました…………」


ソラは残念がりつつ、にこっとする。


「あなたは、強いですね!ちっちゃいっていってごめんなさい」


ソラは素直に謝ると行ってしまう。

小さな動物はなぜか顔が赤くなる。

はじめて強いっていわれた。

はじめてだった。

はじめてで。


小さな動物はにっとする。

と、走りだす。

大きな青色の動物の元へと行く。


「今日も俺と戦え!!」


今日も挑む。

今日も挑む。

弱いといわれたくないなら。

挑めばいい。

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