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羽の話
白い羽が空からひらひらと落ちてくる。
ソラは、たたっと走る。
多くの白い羽が落ちてくる。
ソラは、両手を胸元に重ねるようにする。
一つ、白い羽がふわりと柔らかくソラの手の中へ。
「やわらかーい」
ルーは、上を向く。
白い羽が落ちてくる光景を静かに見つめる。
「ねえねえ!ルー!いっぱいだね!」
「…そうだな」
白い羽はひらひらと舞う。
ソラの手の中にあった羽は風で飛んでいってしまう。
地面へと落ちるとパキンッと割れた。
「消えちゃった」
「割れたな」
「うん………」
ソラは、どこか寂しそうにした。
白い羽の中に、一つ。
青い羽が落ちてくる。
「青い羽根ー」
ソラは、ふれようとしたが、風が流れ、どこかへ行ってしまう。
青い羽根は飛んでいってしまった。
「行っちゃった…よーし!追いかけよう!」
ソラは走る。
「て、おい。おぬし。………我も行くか」
ルーはつぶやき、ソラのあとを追う。
ソラとルーは、白い羽が舞う中、進んでいく。




