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空の存在  作者: 進道勇気
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水槽の話

一本のバラが描かれた絵が水槽に入れられている。

この絵は水の中でしか存在できない。

水槽から出すと、絵は小さくなっていき、消えてしまう。

そんなバラの絵がいくつも縦方向に水槽に入れられ並べられている。


ソラは、その中心を歩く。


「ルーなんかすごいね」


「そうだな」


水槽の深い青色にバラは赤。青。黄色。紫。白。黒。桃色。緑。オレンジ。


ソラは歩く。

ここは、外だ。

荒野に飾られている。

誰が飾っているんだろう。


そこへ、何か来る。


丸い球体に乗る何かの動物。


「ややや、僕は飾るもの。ポンだよー」


「ソラです、こっちはルーです」


「ソラにルーかあ、ややや、じっくり見てねー」


ポンは浮かんでいってしまうと思いきや、ソラの後ろにいた。


水槽にバラの絵が揺らぐこともないことも不思議だ。

でも、一つ。

赤のバラだ。


「あれーこれ、バラの絵が動いてるねー」


ポンは水槽に手を置く。

そうすると、水槽の中で輪の形をした泡が、バラへと静かに当たる。

そうすると、動かなくなる。


ソラはぽかんとしてる。


「何か気になったらいってねー」


ポンは軽い。

プカプカしてるのはいいとして。

言葉も柔らかく、プカプカしている。


ソラはクルンとその場でまわる。


水槽。

バラ。

赤。

青。

黄色。

紫。

白。

黒。

桃色。

緑。

オレンジ。


その様々な色に、どれも見たくて、クルクル回ってたら、目を回した。

その場で倒れそうになり、ルーと、ポンに背中を支えられる。

ルーは。


「おぬし…無事か?」


ポンは。


「ややや、大丈夫ー?」


「あ、全部見ていたくて…クルクルしちゃって…ありがとございます」


まだ目を回してるようだ。


ポンはいう。


「ややや、楽しんでくれたならうれしいよー。でもけがはしないでねー」


「は…はいー」


まだソラは目を回してる。


それから、ソラとルーはポンと別れる。


「ややや、また来てねー」


ソラは進むため、戻ることはあるかわからない。でも。


「…来れたら…来ます!」


約束できないことはあまりしないようにする。


ソラはいう。


「わあーなんかいつも不思議だよー楽しいかも」


ルーはいう。


「よかったな」


「うん!」


ソラとルーは進む。

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