自分探しの話
ふと、考えた。
自分が何と出会い、何に心を感じたのか。
自分のことを探してみようと思った。
他は自分のことがすぐに分かるらしい。
「自分………………て、何だろ?」
自分を探していた。
何を考えて、何が好きなのか。
考えても分からなかった。
金色髪のキツネ耳の少女はぽけーっとしていた。
「自分…………知らないと………?」
彼女は初めて自分のことを知ろうと動きだした。
彼女マーティッカは不思議場所を回っている。
生まれた時から不思議場所を行き、記憶していく。
そのために生まれてきた少女だ。
自分の生きる理由がなかった。
自分のしたいことが分からなかった。
自分のしたいことが知りたくて色々な場所を向かったが。
結局分からなかった。
どうしたら自分が分かるのか分からなかった。
どうしたら、自分が何がしたいのか。
分からないのはよくないと思い、マーティッカは走り出す。
記憶しながらも走る。
マーティッカはぽけーっとしていた。
そこは何名かいる場所であった。
そこでは十二進を歩く少女がいる。
十二進を歩くことは難しい。
一を進むために必要なものがある。
一を進む前にに零を歩かないといけない。
マーティッカはキョロキョロする。
誰かと一緒にあることでここは出られる。
マーティッカは誰かと組む必要はない。
今の状況を記憶することが大事だ。
マーティッカは静かに見つめていた。
その時、小さな少女がやって来た。
「私と進もうです」
マーティッカはぽけーっとしていた。
自分はこことは関係ないのだが。
彼女は手を向けてきた。
彼女はマーティッカを置いていきたくないという気持ちをすぐに感じた。
マーティッカはどう反応したらいいのか分からなかった。
けど。
「あ…」
十二進の少女はずっと奥に残る誰かがいるのを見た。
青の髪飾りはその人に使われた。
マーティッカではない。
小さな少女が消えると、マーティッカは十二進の少女に頭を撫でられる。
「驚いた?マーティッカ。自分が声をかけられるなんて」
「うん…………。私………」
十二進の少女は目を開く。
マーティッカはどこか、頬が桃色だ。
心が動きだした。
彼女から何かしらの気持ちを感じたからだ。
「私………………。あの女の子の名前、知りたい…………?」
「名前が知りたいの?マーティッカが?」
「知りたい…………の、かな?」
マーティッカはけれど表情が明るくなっている。
十二進はマーティッカを抱きしめるという。
「探してみれば?」
「…………………探そう、かな……?」
マーティッカがいなくなると、十二進の少女は笑う。
「マーティッカがあんな顔するなんてね。……かわいい…!」
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マーティッカの自分探しは小さな少女探しへと変わった。
「どこかな…………?どこ、かな」
マーティッカの表情ない顔はどこか変わっていた。
小さく笑顔を作り、探すことが楽しそうだ。
「名前……………知りたい……?のかな?」




