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空の存在  作者: 進道勇気
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クモの話

ある国の中で。

ソラは何かを肩に乗せる人々出会う。

その中で紫陽花の飾りをつける髪の長い少女。

アルベガと出会う。

彼女も肩に何かを乗せている。

ソラは何かを肩に乗せている人々のいる国にいた。


何かを乗せている。

アルベガは案内役としてソラの肩にも何かを乗せる。

乗せられたのは蜘蛛の人形だ。

蜘蛛のぬいぐるみが乗せられた。


「蜘蛛、ですか?」


「この国は蜘蛛様に守られた国なのです」


「蜘蛛様ですか?」


「蜘蛛様は危険な生物からこの国を守ったのです。そのため、私たちは蜘蛛様と共にあるのです」


ソラは国の中を歩いていくと、誰もが肩に蜘蛛を乗せている。肩に乗せられくても、必ず身につけている。


蜘蛛の石像が多くの並べられた場所があり、磨く人々がいる。

アルベガは話していく。


「国を守り抜いた蜘蛛様のお姿が残されています。昔から存在しており、毎日磨いております」


「蜘蛛様。かっこいいです」


「はい。昔の方々は蜘蛛様の言葉を全て残しており、蜘蛛様屋敷があるのです」


ソラは蜘蛛様屋敷に入ると。

本や写真なども残っている。


「わあ、」


他にも蜘蛛が戦ったであろう場所、休んだ場所の模型などもある。

大きな地図には蜘蛛が通った場所までも詳しく書かれている。


「蜘蛛様はお一人で戦ったのですか?」


アルベガはニコリとする。


「蜘蛛様はお一人です」


「どうして戦ったのでしょうか?」


「蜘蛛様はこの国の男性。スタード。彼が蜘蛛様を討伐しようとされていた所を救ったのです。蜘蛛様は最初、人々を傷付ける生物とされました。ですが、蜘蛛様ではないと気づいたのです。彼がいなければこの国は滅んでいたと思います」


「その方の何かは残っていないですか?」


アルベガは口元に指を置く。


「スタードは残っております。あちらの場所と、奥です」


奥に部屋があるが鍵がされていて開ける。

そこはホコリはかぶらず、スタードという人の様々な物が残されている。

不思議なのは。


「どうして鍵かけてるですか?」


「スタードは蜘蛛様の毒により亡くなっています。スタードはそのことをどうしても知られたくなく、国の一部の人には伝えていますが」


「スタードさんはどうして毒に……?」


ソラは質問すると、アルベガは答える。


「スタードは蜘蛛様を殺そうと動いた人間の前に出てしまい、身を守るために蜘蛛様は毒を現してしまったのです。スタードは蜘蛛様の毒で亡くなったとすれば全て壊れてしまいます」


ソラはいう。


「話していいのですか?」


「蜘蛛様はそのことに罪悪感を感じていまして、旅人の方には話しているのです」


「蜘蛛様、ですか?」


アルベガは静かにいう。


「蜘蛛様は自分が英雄扱いされることを嫌がり必ず何年に一度は話さないと蜘蛛様の毒が現れる可能性がありまして、ですから話しています。ちなみに外に話すとしたら。肩の蜘蛛様の人形が毒を放出する、という…ことになるようなことになってしまったんです」


ソラはよく分からないがうなずく。


「話しません。肩の蜘蛛様かわいいです」


蜘蛛の人形をソラは撫でる。


「そうですか。」


ソラは他にも案内されていく。

そして、アルベガと別れることになる。


「アルベガさん!ありがとうございました!楽しかったです」


「はい。こちらこそ。この国が守られました」


「そ、そんな大きいことしてないと思うですが」


ソラは蜘蛛の人形を抱きしめる。


「かわいいです!」


アルベガはその姿に笑顔になる。


「蜘蛛様もお喜びになっていると思います。本当にありがとうございました」


ソラは国を出て、また旅をする。

アルベガは深く頭を下げた。

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