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空の存在  作者: 進道勇気
211/215

努力の話

努力という言葉のない場所。


彼女は努力という言葉だけがない町にいた。

努力という言葉はない方がいい。

努力は報われる。


この言葉があることでどれ程の人間が勘違いしてきたか。


努力は報われるという言葉はいらない。

彼女は静かに子どもたちを見る。

努力という言葉がない町に来た。

努力は報われるという言葉に潰れた人間はたくさん見てきた。


潰されるのだ。

自分で努力は報われると思い込んで、偶々才能があった人間は良い。

そうじゃない人の方が多い。

無いものは、無い。

それを分かり、別の世界で幸せになるために生きている人の多い町。

彼女はこの場所に興味があり、やって来た。


そんな町にした女性ユラリエの元へ行く。


「ユラリエさんー。」


「どうしましたか?ナン」


「ユラリエさんー。」


「どうしましたか?ナン」


「ユラリエさんー。努力という言葉が旅人のせいで流行りそうですー。どうやって消しますか?記憶、消します?旅人伝説にしちゃいませんか?」


ユラリエはニコリとする。


「そうですね。旅人さんの話は誰も外の話ですので本当には信じませんからね」


「今回、努力は報われるに努力したいといってた子がいます!どうします?話は聞いているのですが、本気のようです」


ユラリエはニコリとする。

ナンは笑う。


「彼は、でも大丈夫だと思います!努力は報われるがだめでも!努力でどうにかすると思います。それに努力が実にならなくても腐らないと思います」


「腐りませんかね?死にたくなるとか。自分の町の子どもが死ぬのは嫌なのです」


ユラリエは冷たくいう。

ナンは大丈夫ということは分かる。


「彼は大丈夫と思います。だって、努力は報われるも、報われない時も自分でどうにかすると思います」


ユラリエは笑う。


「なら、大丈夫ですね」


_________


ソラとルーは努力のない町に来た。

無いとは、そういう言葉の存在しない場所。


そこへ町のナンがソラを案内していく。

ソラは質問する。


「どうして努力がないですか?」


「努力は報われないからです」


「むくわれないですか?でも!努力いっぱいなら」


「報われるのは本当に才能がある方と、あとは………命を賭けている方だけですね、あとは」


「?」


ナンは笑う。


「無意識に努力した方ですね」


「むいしき?ですか?」


「無意識が一番の努力です。努力という言葉がないからこそ、無意識に何を努力出来るか?その力を鍛えている場所なのです。ここは」


「むいしき」


「はい。ですから。今回、無意識に努力した方は町を出ました。ですが、報われないことも知り、けれど努力を続けられるのか?と学んでいきました」


ソラはコクコクと、うなずく。


「努力は報われる、ではなく。」


ナンはニコリとする。


「努力は報われない、けれど。死ぬ気で生きるか生きないか、は決められるとユラリエさんから話されました」

 

ソラはうなずいていく。


「そう、なんですね」


ナンと別れると、町を出て荒野にいた。

ソラとルーは隣同士だ。


「ルーは努力のない町どう思う?」


「努力という言葉はあった方がいいと思えた」


「うんうん」


「努力という言葉は必要と思える。それを知り、けれど報われないが、それでも何かをするか?というのはあった方がいいと感じた」


ソラは頭を抱える。

ルーのいうことは難しい。


「な、なるほどだね!」


ソラはルーの言葉難しいなと思いながら、うなずく。


「でも!努力をするってすごいよね!」


「努力をするは、死にたくなるだろうな」


「うん?そうなの?」


「努力を本気でしている者は毎日死にたくなっているだろうな」


「そ、そうなの?努力って……大変なんだね!」


ソラは上を向くと青色の空がある。

どこまでも続いている。


「でも、努力してる人がんばれって思うよ!」


ソラの言葉にルーは少し目線を落とす。


「そう…だな。我も、頑張れとは思う」

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