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空の存在  作者: 進道勇気
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盾の話

体を隠す板をソラは持ち、歩く。

盾を持ち歩くことを規則とした荒野にいた。

盾を持ち、歩く。

ルーも盾を持つことでソラはそこまで重くない。

ソラとルーをスッポリと隠している。


「ルーが持つと軽い」


「…そうか」


「でもさ、どうして盾?がいるのかな?」


なぜ盾が必要なのか?

ソラは分からない。

そっと周りを見る。

何もいないが。


だが盾は必要らしい。

二人が進んでいくと、急に何かが盾に当てられる。


ソラは止まる。

なんだなんだと思う。


ソラは盾からそっと顔を出す。

遠くに何か見える。

槍状の光が右方向、左方向から同時に現れると伸びるように飛ばされる。

その光がぶつかり、弾けるとソラは盾へと向かってくるためすぐに隠れる。

どうやら槍状の光がぶつかりあうことでソラの方へ飛んでくるらしい。

けれど衝撃が伝わってくる。

ソラはプルプルとする。


「何あれ!?」


ルーは浮かぶと飛んでいき、すぐに戻ってくる。


「どうやら、互いにぶつけ合っているらしいな」


「どうして!?」


「互いの住み場所を広げるためのようだ。力のみのぶつかり合いであり、怪我人はいないようだ。進んだ思考の者たちのようだ」


「そうなんだ、でも!」


盾に思い切り力がぶつかってくる。

ソラは地面に座り込んでいたが、立ち上がる。


「怖がってちゃだめだね!盾はあるんだもん!ここを進む!ルー行こう!」


ソラは盾を持つと歩き出す。

ルーも持つ。

強い力に押され、下がりそうになるが前を向く。

下がってはいけない。

下がったらこの場所を出られない。

だから、下がらない。


「ううう………ぶつかってくるよ………」


「そのためか、人にぶつかれば怪我ではすまないが環境と生物たちには安全とのことだ」


「そうなの!?でもあぶないよ!?」


「危険だな………」


ソラはけど、盾を持ち進む。

下がらない。

進むことしかしない。

というか、進むしかない。


「うう、行こう!ルー!」


ソラは声を出して気合いを入れる。

ルーは静かに答える。


「我も共に行く」


二つは盾を持ち進む。

盾へとまた、槍状の光が当てられていく。

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