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空の存在  作者: 進道勇気
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窓現れの話

夜、窓を開けていると風邪を引くといわれて育つ町がある。

他にも夜、窓を開けていると窓現れが来るから夜は窓を開けてはいけませんよといわれて育つ町もある。

ソラはその窓現れのいる町に着き、なぜかその存在を待つことになった。

なぜ、そうなったのかというとソラの隣には温かなコート姿のリュックを背中に背負う女性がいる。

彼女はビーだ。


彼女は窓現れと呼ばれる存在のことを調査するために来た。

待つ。

窓現れは夜、窓を開けていると入ってくる。

危険度はそこまでではない。

とのこと。

ソラはビーと町で出会い、一緒に宿屋で待っていた。


「何が来るんですか?」


「あ、来た!」


夜の闇の中、何か来る。

ソラはドキドキしていた。


そこへ来たのは二等辺三角形の形。

小さな羽がありパタパタしている。

窓が開いているのをみて、ソラとビーを見る。

懸命に飛んでいて、急に大きくなる。

ビーは目を開く。

窓現れと思わしき存在は体を大きくして、ソラとビーの上へと落ちようとする。


そこへ窓の近くにビンが置かれている。

その中には蜘蛛の玩具がある。

ビーはそのビンを持つと玩具の蜘蛛を見せる。


そうすると窓現れはビクーッとして、小さくなり、床に落ちる。

ビーは窓を閉める。

窓現れは倒れている。

窓現れが目を覚ますとビーは話しかける。


「初めまして。私はビー。こっちの二人はソラとルーだよ」


窓現れはポケーッとする。


ビーは質問していく。


「初めまして窓現れさん!あのね!私ビーは知りたいんだ!あなたは何者!?どうして窓から現れるの!?ねえねえ!どうして夜なの?」


窓現れは答えていく。

ソラは驚く。


「……………夜に現れるのは寝ない子をびっくりさせるためーー。窓から現れるのは現れやすい場所かなって思ったからーー。町の大人たちの願いから生まれたんだ。子どもたちがすぐ寝ちゃうためにーー」


ビーは調査を書いていく。

窓現れはあわてていう。


「あ、でもね!この町の子どもたちには秘密だよ!起きちゃうからーー!」


ビーはうなずく。


「私ビーはいわないよ!」


ソラは窓現れの隣に座ると頭を撫でる。


「窓現れさんは町のみんなのねむりを守ってるんですね!」


ソラは撫でていく。

長く撫でていく。


「あんまり撫でるなだよーー……」


ソラは気にせず撫でた。

窓現れは窓の外を見ると、そろそろ帰るという。


「そろそろ帰るよーー」


ビーは「え、もう?もう少し聞きたい!」というが窓現れは帰る。


「町のみんなには秘密だからねーー!」


と行ってしまう。

ソラとビーは窓の外を見る。

朝日が空に昇り始めていた。


「朝だね!」


「朝ですね!」


ビーはいう。


「いやー!ありがとね!ソラつきあってくれて」


ソラは笑顔で答える。


「窓現れさんと出会えたのでよかったです!」


「もっと知りたかったなあ」


ソラとビーが話す隣でルーは静かに朝日の昇る空を見つめていた。

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