今昔の自分の話
昔の自分が飾られている。
全ての年代の自分を残すミィール。
彼女は青の短めローブに長い白のワンピースドレスを着ている。
頭には犬系の垂れ耳。
彼女は昔の自分をガラス棚に飾っている。
子どもの時から大人まで、自分を飾る。
その理由は自分を忘れないためだ。
忘れたくないことの方が多い。
あの時の自分だからこその悩みは何なのか。
彼女はあの時の自分へ質問する。
「あの時の私の悩みは何?」
十代程のミィールは声を出す。
「悩みが多いことが悩みだったよ。あと、苦手なのは算数だよ」
今のミィールは昔のミィールの手を握る。
「悩みばっかりなんだね。わかるわかる。今もだよ。算数は今も分かんない!」
楽しそうに昔の自分と話す。
十代程のミィールはいう。
「悪くした場所は大分よくなった?」
「うん、大分いいんじゃないかな。ねえねえ私、今の私はね!昔はやる気が何にもなかったけど今はね!少しは頑張る私になったんだよ!少しはね」
「昔の私は頑張るのは無駄!という考え方だよ」
「うん、頑張るのは無駄だよ!でもね、自分がこうしたいを決めて頑張るのはいいと思うの!とにかく自分で目標決めて一人達成もいいと思うようにはなるよ。昔のミィール」
十代程のミィールはいう。
「頑張るは無駄です。頑張らない方がいつの間にか人生は勝手に終わるよ」
今のミィールは笑う。
「昔の私!今の私はその考え方じゃなくなくなるよ!何と気づいてしまうんだよ!人生は短い!らしい!ということは何かしら目標決めてやる方がいい!無駄とか、かなわないとかどうでもいいよ!人生早いんだよ!」
「早いの?」
「もう少し早く気づくべきだったよね。うんうん」
「今のミィール…………目標決めて一人達成した?どうだった?」
「最高だよ!苦しい方がいいよ!ね!えーと十代程の私!」
十代程の隣の同じく三才上辺りの彼女へ話しかける。
彼女はうなずく。
「苦しい時の私…………でも、苦しいけど諦めなかった時の私。これがないと今のミィールいなかったよね?」
今のミィールはニコリとする。
「あの時の私!ありがとう!いやー。諦めない諦めない。うん、よくやめなかったね?」
十代程の隣の同じく三才上辺りの彼女は答える。
「他にすることない時だったから、やめないよ」
今のミィールはうなずく。
「そうだよね!まあ一番はその時の私のおかげだね!ま、みんなもだけどよく諦めなかったね。昔の私って精神強かったんだね」
今のミィールは昔の自分を尊敬する。
「今の方がすこーし弱くなっちゃったよ」
全てのミィールが怒る。
今までの私たちの我慢は何だったのかと怒る。
今のミィールはまあまあと困り顔をする。
「ごめんごめん、でもね今の私じゃないと分からないこといっぱいあったよ。まだまだ分からないことの方が多いけどね」
今のミィールはけれど、笑顔を見せる。
「でも、昔の私のおかげだよ。今いるのは」
そこへノックが聞こえる。
「はーい。お客さんだよ」
ミィールは玄関の扉を開けると小さな少女がいる。
ミィールは笑う。
「昔の自分も今の自分との出会いのための館へようこそ。あなたのお名前は何でしょうか?」
少女は答える。
「ソラです」
ミィールは柔らかく笑うと中へ案内する。
「ソラさん。昔のあなたは………結構、いえ。かなり多いですね。」
「はい!」
ミィールは小さな少女を部屋に案内すると自分の飾られた場所へ戻る。
「みんな!緊張するよ!でも誰かが来るのうれしいよ!」
今のミィールの言葉に昔のミィールは答える。
「今のミィールだから案内も出来たし話すことも出来てる。しかも館で他の人たちの昔から今を発現させるなんて成長してる!」
急に昔の自分にほめられる。
ミィールは恥ずかしそうにしたが。
他の昔の自分はいう。
「てか、昔の私なら余裕で出来るし、今のミィール弱すぎ」
「そこ!今のミィールにそんなこといったらだめ!」
「は?うるさ」
他のミィールは。
「ミィールは成長した!昔よりはしゃべる!」
「昔の私の方がしゃべるし、今のミィールより賢いし!」
今のミィールは、はっにりという。
「昔の私の中に賢いミィールはいません!」
今昔館の今のミィールは少しずつ成長しているようだ。




