過去の話
その場所にあるのは三つの部屋。
過去、今、未来の部屋。
ソラとルーはその扉の前にいた。
過去の部屋に入ってみる。
そこには過去が集められていて、多くの消えない書籍がある。
過去消されてきた全てはここに刻まれている。
消したくても消せないのだ。
多くの本が棚に並べられている。
棚から本は飛びだすとある少女の元へ飛んでいく。
中央にステージのようなものが浮かんでいて犬の絵がたくさんあるベッドがあり、その上で座る少女がいる。
本はベッドに乗ると彼女は過去を見ていく。
本を読むというよりも、過去を見ていく。
ソラはそんな彼女の前に来る。
ピンク色のパジャマを着ている少女は本を読み続けている。
ソラは特に何もいわない。
彼女はソラに気づく。
ソラは本に触ろうとして、静かに彼女はいう。
「その過去は見てもいい」
ソラはパラパラと本を見ていくが。
難しい言葉が多く、すぐに本を見るのをやめる。
少女は質問する。
「難しい言葉多い?」
「難しいです!というか!分かんないとこばっかりです!どうして見れるですか?」
「実は、私も難しくて分からないけど、とにかく覚えておかないといけないの。えーと、本が劣化していって、文字が消えていくから私がいるんだって」
「そうなんですか?」
「うん、あなたと同じ。分かってないけど、見ないとなの。過去は残さないといけないから…きっと、今と未来のために。過去を知らないと、何もかも進めないから」
「そうなんですか?」
少女は少し困った顔で笑う。
「過去を知るって大事なんだって」
「過去を知る!大事ですね!」
ソラはコクコクとうなずく。
少女はまた、本を見続ける。
ソラは後ろを振り向く。
少女はずっと本を読んでいる姿を見つめてから扉を出た。




