吸い込む話
吸い込まれていく。
ソラは、吸い込む道具。
掃除をするための道具を使い、とても広い建物内のホコリや宝石を吸い込んでいる。
ソラはとても広い建物で掃除をしていた。
ルーは窓を拭いていく。
「うわあ、何でも吸い込まれる!楽しい!」
ソラは吸い込んでいく道具を使うのが楽しくてたまらない。
建物内にあるのは宝石のような形の建物にとって良くない物体。
ソラはそれを吸い込んでいく。
そうしてると、他にここで掃除をしている少女。
ソラがここへ来て、吸い込む道具の使い方を丁寧に教えてくれたアルアル。
彼女は濃い緑の髪を後ろに結うと、動く度に髪が揺れる。ウサギ耳の少女はエプロン姿でありソラの方へと来る。小さなリボンが腰に二つつけられている。
「ソラさん!こちらにあの宝石さん来ませんでしたか?」
「ほ、宝石さんですか?い、いえ来てないです」
「そうですかー………急に動き出して、吸い込もうと思ったのですが逃げられました!」
アルアルは堂々という。
「ん?」
ソラの隣を何か通り過ぎた。
宝石のような形が廊下を歩く。
アルアルはそのことに気づき、ソラへ吸い込み道具を使おうとした。
ソラはあわてる。
「あ、あの、あの、アルアルさん!?」
アルアルはソラごと吸い込みそうになる。
どうやら一度見つけると回りが見えないらしい。
「吸い込まないとです!!!」
ルーは、ソラのことを押すとルーが吸い込まれそうになる。
「ルー!?」
アルアルへソラが何とか後ろから声をかける。
「アルアルさん!!」
アルアルはやっと落ち着く。
その後、アルアルはまずソラとルーに謝る。
ソラとルーはあまり怒らないからいいのだが。
他にも掃除をする長がいて叱られたようだ。
アルアルは、回りをあまりにも見えなくなるため、これから更に気をつけようとする。
ソラとルーは玄関でアルアルに見送ってもらう。
アルアルはいう。
「ソラさん。ルーさん。掃除ありがとうございました………あの、吸い込みそうになりすみません……周りが見えなくなるんです…………本当に………その、見えなくなるんです」
アルアルは反省している。
ルーは真っ直ぐにいう。
「周りがみえないのは構わないが次。主を吸い込むことがあれば許すことはない」
アルアルはぞっとする。
「は、はい!気をつけます!」
ソラはルーの言葉に涙が出てくる。
「ルーが私を心配してる…………うれしい」
ソラが泣き出し、アルアルはソラの頭をなぜか撫でる。
「ソラさん。あの、泣かないでください……」
「ルーが私を心配してます……うれしくて……泣くです…………」
ルーは黙る。
それからアルアルと別れると、ソラは歩いて行く。
まだソラは泣きそうになっている。
「うれしいよ!ルー!大好きだよ!」
「………そうか」
「次どこに行くかな?ルーと一緒だからいつも楽しいよ!怖いときもあるけど」
「…………………そうか」
ソラとルーはまた歩きだす。




