頑張らない話
頑張らない彼女は今日も頑張る。
「頑張る禁止だよ。みんな頑張らないという努力をしようぜい!」
緑の長い髪を風で揺らす元気な少女。
彼女の名前は。
彼女はガンバラナイ。
頑張らないのリーダーをすることになった。
そのため。
彼女は多くの場所へ行き頑張らせないようにする。
監視カメラもそのために死角であろうと作業場所などに取り付けられている。
頑張らないを徹底しているのだ。
「みんな頑張ったらだめだよ!頑張ることはここでは禁止!あ!そこ!何頑張ってるの!?頑張ったらだめなんだよ」
ガンバラナイは注意をしていく。
彼女のいる場所は頑張ることは禁止されていて、休む時間が多く取ることの方が重要とされている。
この場所では度を越える頑張る者は罪として処刑されてしまう。
そのため、全員頑張らないようにしている。
全員予定表を常備し、頑張る可能性のある仕事内容の日など予定を話し合い変更して頑張らないように、調整をしていくのだ。
ガンバラナイは現在頑張る調査をしていて、頑張らないように目を光らせる。
「ふー。頑張らないようにするのは大変だよ調整は多いしー」
そこへバラナが来る。
彼女は榛色の髪。髪をゆったりと結んでいる。
彼女はあわてている。
「ガンバラナイ様。あ、あの明日頑張ってしまう予定が多くあり、全員が混乱しています」
「うそお!?マジで!?今行く!」
ガンバラナイは、全員の頑張らないための日程の調整のため話し合う。
「うーん、ここをさ変更するとまずいよね」
ガンバラナイは頭を抱える。
どうして頑張るなとされているのに、こんなにも無茶な予定を入れ込むのか。
「うわあ!頑張らないがルールなら!こんなことさせないように日程つくれい!期限とかある人特に難しいって!」
ガンバラナイは、その話し合いでなんと、次の日が来てしまった。
「決まったあ!」
そこへバラナもフラフラとやってくる。
「ガンバラナイ様。こちらも終わりました………何とか」
ガンバラナイは手をバタバタさせる。
「うもう!意外と頑張ってるよ!日程作りを頑張ってるよ!それにどうやっても頑張らないといけない日程を無理に頑張らないでどうにかするのは……うん、難しい……全部は無理だよ。みんな作業違うんだよ!?これを無理に頑張らせないよーにって……よう出来てるな私もみんなも…さすがだわ」
ガンバラナイは、バタバタしてる。
バラナは、そこへとりあえずお茶を持ってくる。
「頑張りましたね」
ガンバラナイは叫ぶ。
「頑張らないの私の方がなぜか頑張ってるよーーー!!」
そこへまた続々と人々が来る。
その人は全員の予定表は完成したのだがどうしても頑張らないの規則を破ってしまう部分があり相談に来ている。
頑張るなといっても頑張ろうとする人がいてどうにかしてほしいという相談もある。
他にも頑張らないの基準をどうしても越えてしまい、そのための相談などにより行列ができている。
ガンバラナイは湯飲みを手に持ちお茶を飲み干すとニタリとする。
その顔はもうやるしかないという顔。
バラナも気合いをいれるため自分の顔を自分で叩いている。
ガンバラナイは既に普通の状態ではない。
「頑張らないを頑張れってことだろ?頑張らないためにやってやろうじゃないか!バラナ気合いいれていこう!」
バラナは「はい!」と返事する。
頑張らないのために頑張ると決めたガンバラナイであった。
ずっと遠くから小さな少女が見つめる。
少女はソラ。
彼女は隣の小さな犬へという。
犬はルー。
「みんな何してるのかな?いっぱーい人いるね」
「頑張らないのために必死に生きている人たちだ」
「がんばらない?」
「ここでは頑張ることが禁止されているそうだ。だが……………」
ガンバラナイをルーは見つめる。
前に会ったことがある。
たしか、彼女が子どもの時に。
「頑張らないために彼女は頑張ってるな」
「がんばらないかー。がんばるとどうなるの?」
「頑張ると罪になり、まず給料が減らされる。次に、家を買った人などが家を奪われるなどがされる」
「ひどい!」
「この場所のルールだから誰も何もいえない」
「そっか………」
「そして、頑張りが過ぎた者は処刑されるという所だ」
「え……………」
ソラはもう何もいえない。
「そのためにみんな頑張らない努力をしている。頑張るというルールでしか出来ないことを無理やりにさせないようにするために」
「………いいこと?悪いこと?」
「どうなんだろうな。結果的には良いんじゃないのか?頑張りを過ぎないようにさせるためのルールと聞いたことがあるし」
ソラとルーは頑張らせないルールのために動く少女や他の人たちを静かに見つめた。




