行進の話
「紹介のラーブローチです。紹介がしたくてここにいます!どうぞ!ラーと呼んでも構いません!皆様にこの行進していく方々のご紹介を私はもう楽しんでしていきますね!」
少女は右斜めに髪を結ぶ。
服装は赤と緑のチェック柄の服装。
名前はラーブローチ。
見物する人や人以外は町中の壁に貼られた矢印を見ながら歩いて行き、あまり混んでいる様子はなく、誰もが穏やかに歩いている。
行進。
明るいほんわかした灯りが道路の両側に現れていることで不思議な光景を作り出している。
ラーブローチは紹介をするため、手の平を行進するものへと向ける。
手にはマイク。
「並ぶのはまずはあの深い青色の馬車。何と、青色の馬車の扉が開き、中の影のような美女が手を振ってまーす。きゃあ!お綺麗なドレスですね!馬車の色は本当は白にしようと最初は決まっていましたが!なんと青に少し黒を混ぜようという案が出たことでこの色となったようです!他にもドレスのボタンとその色からご紹介を…………」
長い説明が終わると次に向かうのはペンキが幾つもの色を混ぜられた場所が動いている。
そこへラーブローチは走る。
「わあ。ご覧ください!様々な色を混ぜられたペンキです!動いてますね!あなたは今日の行進へ何をしに来たのでしょうか!?」
マイクを向ける。
“…………………タノシミニキタ”
「そうなんですね!お答え頂きありがとうございます!実は最初はここへ来る気はなかったのですが!参加すると全員が頂ける特別な行進の証を欲しくて来たようです!様々な色を混ぜたのは実は、混ぜすぎたと後悔していたようですが!よく考えたらこの様々な色の組み合わせ良くない?となり、今日は自信満々でお越ししたんですよね!他にもこだわりは…………………」
ラーブローチは紹介を続ける。
ちなみにある小さな少女はというと行進を見つめていた。
彼女はソラ。
ソラは隣にいる小さな犬に似た姿のルーへという。
「ルー!何かすごいよ!」
「そうだな。巨大な人形が歩いてきたな」
ソラは楽しそうに見つめる。
巨大な人形はふわふわな雲を思わせる服を着ていて笑顔で手を振っている。
ソラも手を振り返す。
そこへラーブローチは来る。
人形へマイクを向ける。
「こんにちわ!行進へご参加なさってますね!あなたはどうしてここへ来たのですか!?」
巨大な人形はキラッとする笑顔を向けた。
“みんなに手を振りたいからだよ”
「なるほど!そうなんですね!皆様も手を振っています!盛り上げに感謝します!あなたがいることで皆様も楽しそうです!ちなみに今日のあなたのラッキーカラーは緑だったんですよね!モクモクの雲に囲まれる服装の中に頭に緑の飾りをいれるというのは少し、どうなんだろうと思いつつ、かわいいと思ったんですよね!たしかにかわいいです!私も_____……………」
説明を続けるラーブローチ。
ソラは人形へ手を振るとベンチに座り行進を見つめることにする。
「ねえルー。こうしん?てすごいんだね。ちゃーんと並んでる」
「ああ、そうだな。行進が見られるなんて思わなかったな」
ソラとルーはたまたま町につき、そこで不思議の行進のやって来ている日でもあったようで運がよかった。
ソラは楽しそうにしている。
ルーはその様子に安心する。
ルーはソラが楽しければそれでいい。
旅をすることで何かしらに巻き込まれる時もあるが、今はソラは楽しそうにしている。
「ルー!見てみて!今度はピンクのクジラさんも来たよ!」
ピンクのクジラは浮かび進んでいく。
そこへラーブローチが走って行く。
ソラはいう。
「さっきのお姉さんだ」
ルーは先ほどから動き回るラーブローチへ思う。
「紹介を楽しそうにしているな。少し…言葉が長い気もするが……」
「たしかに長いかも…!お姉さん大変そうだけどすっごく笑顔。楽しそうだね」
「そうだな」
ソラとルーは行進を見つめた。




