雲の上を歩く話
「ルー」
少女の後ろ姿。
「なんだ。おぬし」
犬のような浮かぶ動物の後ろ姿。
少女はソラ。
犬のような動物はルー。
ソラはわくわくとした顔をする。
「!雲の上だよ!」
ソラは雲の上にいた。
もくもくとした白い雲。
ソラはぴょんぴょんと跳ねるように走って行く。
ルーはいう。
「走るところぶ…………」
ポテッと転んだ。
ソラはガバッと起き上がる。
「痛くない!わー」
走って行く。
ルーは静かに上を見る。
上に地面がある。
変な場所だ。
ここは。
「こんな場所あるわけがない」
そこへ、地面に誰か来る。
少女だ。
地面が上だからか少女の体も反対だ。
本当に不思議な場所。
「てしまめじは」
「?何と言った?」
少女がいる。
だが、髪など全く逆に落ちたりしてない。
「のるなにいたんはがのすなは」
「話すのが反対になる…?か?」
「んう」
どうやらしゃべり方が反対らしい。
聞くのが難しい。
ソラが来る。
「ここの人ですか!?ここは何ですか?」
少女は答える。
「らかたっかたいでりとひ。のなりとひでここはしたわ。のいないかししたわ。のなうゆじはここ」
「私は自由なの。私しかいないの。私は一人なの。一人でいたかったから…か」
「んう」
ソラは質問する。
「一人はさみしくないですか?」
少女は顔を振る。
「わいなくしみさ」
ルーがいう。
「寂しく、ないのか」
「んう」
ソラは少女と話したり、雲の上を走ったり飛び込んだりする。
ルーは少女が何をいっているかをソラに伝えていた。
ソラはうまく話せないが一生懸命聞こうとするソラの姿を見て少女は楽しそうであった。
それから、時間が経つと、ソラはそろそろ行くことにする。
少女は最初と違い、どこか寂しそうにいう。
「ねだんるなくしみさてっきとるすれかわおとすなはとかれだ」
ルーはソラへ伝える。
「誰かと話すとお別れする時って寂しくなるんだね…といっている」
ソラはにこっとする。
「私もさみしいです、でも、私は行きます!」
少女はにこっとする。
「てけつをき。いゃしっらてっい」
ルーはいう。
「行ってらっしゃい、気をつけてといっている」
ソラは笑顔で言葉を返す。
「はい!気をつけて行ってきます!」
少女は手を振った。
「らなうよさ」
ソラは雲の上を歩く。
「よーし!行くぞ!」
ルーがいう。
「走るところぶ………」
ポテッと転んだ。
ソラはガバッと起き上がる。
ソラは同じことをいう。
「痛くない!行くぞー!」
ルーは答える。
「行くか」
ソラとルーは進む。




