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空の存在  作者: 進道勇気
179/215

ソロの話

ソロプレイヤーのソロは道で倒れていた。

ソロは一人でモンスターに挑む。

のだが。

今ソロは倒れている。


ソロの良いところ。

一人で出来る。

一人でレベル上げができる。

マイペース。

一人で転んでも誰も見てない。


うつ伏せに倒れている。


「誰か…………誰か…………カバンの中の回復薬を……」


誰もいない。

ソロはこの体制で30分経たないと動けない。


ので。

ソロの悪いところ。

回復役がいない。

一人なのでサポート役がいない。

回復薬をカバンから取ってくれる人がいない。

攻撃が得意だが、それ以外は出来ない。(ソロさんの場合)

ソロと聞くとかっこいいですねと毎回いわれる。


「ぐう………………。このままか」


ソロはジッとする。


___________


「ルーといるの楽しいよ!」


小さな少女。ソラは楽しそうに歩く。

ルーはというと。


「我。一言も話してないが」


「ルーがいることが幸せってことだよ!」


ソラは眩しい笑顔。


「まぶしい………気がする」


「ルーといるの楽しいなー。楽しいなー。」


「おぬしは騒がしいな」


「騒がしくていいもん。ルーといるの楽しい。ルーールルー」


「勝手に我の名前で歌い始めたな」


「ルーの名前を呼ぶことで私は幸せなんだよっ!」


「そうか」


温度差のある二人は倒れる人に気づく。


「誰か倒れてる!」


ソラは走って行ってしまう。

ルーは警戒する。


「敵だったらどうす……」


「敵だったら倒す!」


ルーは静かにする。

ソラなら倒せる。


ソラは声をかける。


「大丈夫ですか!?お兄さん!」


「…………は!誰か来たあ!俺はソロ!カバンの中から回復薬を出してほしいんだ!」


「はい!」


ソラはカバンの中を探す。


「ソロさん!どんな形ですか?」


「緑系の色の小ビンなんだ」


ソラはカバンを探る。


「ないです」


ソロはハッとする。

たしか、宿屋に置いてきた!!


ソロは倒れたまま。


「ううううう…………」


「大丈夫ですか?ソロさん」


「大丈夫だ……ソロプレイヤーは、確実に何かしら巻き込まれるから…慣れてる…30分経てば治るから……ごめんね声かけて」


「ソロさん………」


ソラはソロの隣で座る。

ソロはん?となる。


「ソロさんが治るまで待ちます!」


「ええ…………。い、いいよ?先進んで」


「待ちます」


「どうして」


「何となくです!」


何となくか………と。ソロは思った。

ソラは質問する。


「ソロさん。そろぷれいやーって何ですか?」


「一人で色々するって感じかな…」


ソロは言葉を続ける。


「ソロは一人だから楽しいし、アイテムも自分のだし、あと……………一緒に組む人がいない」


「組む人?ですか?」


「知り合い?みたいな………命をかけられる相手、みたいな」


ソラは純粋にいう。


「ルーのことですか?」


「ルー?」


「私はルーを家族と思ってます!」


隣に犬が浮いている。

ソロはつぶやく。


「ルーと組んでいるんだな………へー……」


ソロ。

ソロはソロプレイヤー。

ソラは思いつく。


「は!ソロさん!くみたい?のでしたら!話しかけまくればいいのではないですか!?」


「あ、そういうのはいいや」


「…あれ?いいん、ですか?」


そんな話をしてると。

ソロはようやく起き上がれるようになる。


「あ、違うんだ。俺ソロ歴長くてさ。今さらパーティー組んだらせっかくのソロ歴?なくなっちゃうじゃん」


「?そうなんですか?」


「それに俺アイテムは独り占めしたいタイプだし」


ふふふふふふとソロは悪笑いをする。

わざとらしく。


「ふむふむ。なるほどです」


ソラはうなずく。


ルーは一言。


「けれど回復役はいた方がいいのではないか?」


「回復役なんていらないさ。俺一人で充分」


ソロは風に髪がなびく。

ルーは聞く。


「毎回あんな風に倒れているのか?」


ソロは体を後ろへ傾ける。

何か、ポーズを決めようとしてるようだがプルプルしてる。


「いえいえ。俺。レベル高い系のソロプレイヤーだから」


「……レベル高い系なのに倒れたのか?」


ルーの言葉に圧がある。

ソロは素直に話す。


「………………相手が強すぎました。あとかっこつけました」


ルーは何となくソロに苛ついていた。

特に動きに。


「素直に言えない者だな」


「ソロプレイヤーなのは組む人がいないだけです。レベルが高いのは誰にも時間を取られないのでつい、レベル上げばかりしていたからです……………」


「最初からそう言え」


ルーは何だか苛々している。

ソラはルーの頬をプニプニする。


「ルー」


「何だおぬし」


「プニプニするの」


ソロはカバンの中を探る。


「待っていてくれたお礼にこれを渡すよ」


ソラは何かをお礼にもらうことになる。


「なんですか?いいんですか……?」


「うん。ソロプレイヤーだけがもらえるアイテムがあってさ。俺100個あるからあげるよ。それに俺は使わないし」


ルーは思う。

どれだけソロだったんだろうか。


ソラの手には青色の花の髪飾り。


「かわいいです!いいんですか?」


ソラは自分の髪につける。

青色は濃いめで、少し白が淡く混ざる。


「俺渡す人いなくてさ、ソラ似合うな」


ソロプレイヤー。

ソロから髪飾りをもらうというまさかに驚き。


「ありがとうございます!大事にしますね!」


_____________


ソロは髪飾りをあるクエストで手に入れたが渡す人もいなく困っていた。

けど、自分の起き上がれるようになるまで初めて待ってくれた少女。


「…まさか渡そうと思える人と会えるなんてな…。いなかったら売る予定だったんだけど」


ソロはまた一人クエストに望む。

彼は変わらず挑む。

何かしらいいつつ、出会いよりもレベル上げをしたいという気持ちが大きいのは自分の悪い性分と思える。


___________


ソラはうれしそうにしている。


「わあ。かわいいです!ルー!どうどう?」


「似合ってるぞ」


「えへへー。そっかー。」


ソラは青色の髪飾りをつけ、歩きだす。


「ルー!かわいい?」


「似合っている」


「かわいいって聞いてるのー!」


「似合ってる」


ソラは頬をふくらませる。


「むー。ルーからかわいいっていわれたいのにー。むー。でも、いいや!にあってるもんね」


ソラとルーは歩きだす。

ソラは振り向く。


「ルー。かわいい?」


ルーは同じ言葉。


「似合ってる」

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