予言話
彼女はワガママだ。
ワガママで決まりを嫌がる。
面倒だ。
彼はつぶやく。
「これだから困る」
「もうやだやだやだやだ!全部やだ!そんなの面倒!」
子どもの彼女は使えない。
子どもでは使えない。
大人と子どもが分けられない彼女は使えないが。
仕方ない。
あれでもあの人の子ども。
能力がある。
仕方ないから彼も近くにいる。
仕方ないから。
彼女はただのワガママな年以下の子ども。
「ヨー様」
様なんてしなくていい子ども。
「どーして!私がこんなことしないとなのっ!?面倒くさい!」
「あなたの父上も同じことをしていました」
「どーして!したくもない笑顔でいて、全員の前で話さないとなの!」
「それが決まりです」
「全部やってよ!」
「あなたのすべきことです」
「うむむむむむ。他の人にさせてよ!」
「それがあなた以外にこの能力をお持ちではないんです」
「何で私以外でいないの!?」
「それは自分は特別ということですか」
「そんなこといってないし!」
どうしてこんな子どもにペコペコしてるのは。
彼女の父から救われているので。
それが理由としておく。
ということで。
彼女は消すことにした。
能力しかないがそれがあるから仕方なくだが。
彼女の父以上に力の低いため。
この場所の方々は。
彼女は消すことをいわれた。
「面倒だな」
消すのも面倒。
彼女と、あまり人気のない場所へやってくる。
彼女が人が多い所は嫌といった。
彼女は能力により、誰もが近寄る日々。
「やっと人いない!やたー!」
「人のいない所お好きですね」
「人いない方がいい!」
彼が背中に持つのは。
鋭利な物。
彼は。
彼女は使えない。
消すのみ。
そこへ小さな少女が来る。
ヨーは、少女の近くへと行く。
「わー。私のことほめてくれるの。鼻たかーいだね」
彼は彼女が話を終えたら。
彼女を消す。
彼女は少女へという。
「私はヨー。よろしくね。あなたは?」
小さな少女は答える。
「私はソラです!あの」
ソラはヨーへとこっそりと話しかける。
「え……」
「行きますよー!」
ソラは手を握って、走りだす。
走りだす。
彼は追うことはしない。
彼女は消すよりも逃がした方が早い。
____予言者の娘
彼女
予言者の娘だ
彼女は。
「五年」
とだけつぶやいていた。
何が五年なのか。
「夢で見た。五年……。5時6分………何が……」
彼女は何かを予言した。
彼女の父はもっとしっかりと予言していたのに。
やはり彼女は使えない子どもだったのだ。
_予言の低い子ども。
けれど、あれはどういう意味だったのか。
五年後分かることになった。
____________
五年後。
彼の住んでいた場所の人々は姿を消した。
もしかして。
あのワガママは。
あの困らせたのは。
分かっていたのかもしれない。
だから、何とかして自分が消されるように仕向けたのではないか。
使えない子どもと思わせれば消えられる。
つまり、自分を逃がすために。
__予言者の娘。
彼女は。
何を見たのだろう。
何に気づいていたのだろう。
彼は分からない。
彼はすでにこの場所で
草木の絡まるような、けど草ではない。
硬いガラスのような形が大陸に残った。
人々は姿を変え、形を変えた。
そこへ誰か来る。
人々の心も感情もない。
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そこへ彼女はやって来た。
彼女は人のいなくなり、硬い草の絡まるような形しかない場所にいた。
「私は予言者の娘……ね」
彼女、ヨーは形へと触れる。
「私はここを離れることも見ていたの。戻ってくることも。みんなはこの場所の栄養になっちゃった………」
彼女は触れる。
「私は次の予言の場所へ行かなくちゃ……か。ごめんね。ワガママばっかりいって、最後は私を逃がしてくれてありがとう。ヨヅキお兄ちゃん」
ヨーは静かに歩きだす。
次に夢を見た場所へ向かう。




