短編本の話
ついに出会えた。
とんでもない短編本を書くかもしれない人物に。
彼女アリリーは黒ポットの描かれた帽子をかぶり、赤と黒のゴシック服を着る。
カピバラの耳を持つ。
アリリーは探していた。
とんでもない人物を見つけたかった。
ずっと。
アリリーはその短編を見て、言葉を失った。
アリリーはうれしそうにつぶやく。
「すっごい!短編だっ!」
アリリーはその人物に衝撃を受けた。
すごい
すごい
すごい
すごい
偶然見つけたけれど、わあ………すごい。
いた!
という衝撃。
アリリーは顔が緩んだ。
「何て…………わあ、わあ、わあ!すごいよ!」
アリリーはこの喜びにわたわたする。
「わあわあ!わあ!」
アリリーは急いで先輩の元へ走る。
「先輩!ものすごい短編を書く方を見つけました!量もすごいです!1000以上もあります!これはすごいことです!是非!短編本博物館で展示しましょう!」
短編本専門を展示し保護するこの場所ではいつも短編を探している。
「先輩!さっそく相手に許可を取って保管を!」
先輩は全く取り合わない。
「待て待て。1000?それだけかい?ここは無限が第一位。つまり、その程度じゃ保管も展示もできないよ」
先輩は行ってしまう。
アリリーはむうとする。
「何なんですか!もう!見てくださいよ!内容を!」
「1000なんてまだまだだな」
「むうううう。いくつならいいんですか!?」
アリリーはプンプンする。
先輩はいう。
「今までの短編を書いた方々は無限が一位として保管されている。そんな1000程度じゃね。もしその人が永遠に続けるなら考えるよ」
「のう!先輩方はレベル高いですね!でもこの方が亡くなれば保管は何があってもですよね!」
「もちろん。相手の確認とるけどね。まあ、まだまだだけどね」
アリリーは短編本の置かれた博物館内を見る。
ここには多くの短編本が置かれてる。
保存して未来までつなぐために。
ここで唯一無限の短編が展示されている。
無限。
その人物は死してなお書き続けている。
アリリーは見つめる。
ガラスにふれる。
本が並べられている。
そこへ、小さな少女や様々な者が博物館を回っている。
彼女は無限短編本を見つめる。
アリリーはまた探しへと向かう。
とんでもない短編を探すために。
「もっといないかな!!」
アリリーはわくわくしていた。




