表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の存在  作者: 進道勇気
172/215

鍛える話

鍛える人間がいる。

彼は正座している。

筋肉のあり、目を閉じる男性。

彼の上から、石が落ちてくる。

石というか、岩だ。

岩が落ちてくると、自分の両手を頭上へ持ち上げて手の平を合わせる。

岩は彼の指へとぶつかり、彼の指ではなく、岩が割れる。

割れると水の中へ落ちていく。


「岩に負けぬ力を持つことだ」


そこへ、ソラは正座で座る人に驚く。


「わっ………なにしてるんですか?」


「岩との戦いなる。落ちてくる岩と戦い、自らの体を鍛えるのだ」


「どうして鍛えるんですか?」


「我は幼き頃から体が弱く、更に心が弱く育った。それを今ならば鍛えられる。そのために鍛えている」


また岩が落ちてくる。

目を閉じ、頭上で拳を作ると割る。


「我。まだ足りない。あまりにも足りないものが多い」


「体!かたそうです!」


「硬そうではなく、硬くするのだ」


「き、厳しいですね」


「我。甘さの幼少期。今は鍛える日々」


「甘さ?ですか」


「我。幼少期。欲しい物は何でも手に入り、甘えることしか知らない。けれど、成長すれば状況も変わる。自分の甘さに怒りを覚えた」


岩は落ちてくる。だんっと、足下

蹴るように飛び上がると、落ちてくる岩を拳で破壊していく。


「……岩は硬く、強い。我。挑むなり」


ソラはポカンと見つめる。


「私、見てます」


「見物か。構わない。」


ソラは見つつ、寝てしまう。

ぐっすりだ。

男性は気づく。


「寝たのか。そうか………。こんな危険な場所で」


ソラの隣にルーは現れる。


「主は寝たか……」


男性はいう。


「その子どもをここから離してほしい。此所は岩の落ちる場だからな」


ルーは、ソラへ声をかける。


「おぬし。起きろ」


「………んー。もう食べられないよお……」


「………起きろ」


「…………あ!これも食べていいんですか…」


「おぬし。とっとと起きろ」


「ふおい!あれ?さっきまでのごちそうは?」


男性は岩を拳で砕く。


「此所は危険。離れることだ」


ソラは離れる。


「はい。………またねです」


ルーは後ろを向く。


「岩が落ちてくる場で修行とは…本気で鍛えてるんだな」


「そうだねっ!ルーは何かきたえてることある?」


「鍛える?………特にないな」


「そっかー。私も何か鍛えようかな!」


「何を鍛えるんだ?」


ソラは考える。


「んー。……………んー…………。何だろ?」


「行くか」


「うん!そうだなー。ルーを甘やかせることをきたえようかな」


「ん?どういうことだ?」


「ルーは甘えないからね。甘えさせるをきたえるの」


ルーはよくわからない。


「そうか」


ルーはとりあえず、行く。

ソラは手を広げる。


「さあ、甘えていいんだよ」


ルーは通り過ぎる。


「ルー!?何で無視なの!?」


「行くぞ」


「ルー!!」


ルーをソラは追いかける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ