聞こえてますか?の話
『聞こえてますか?』
『聞こえてますか…ザッ…………ザザ』
白い砂の中
何かが鳴っている。
『聞こえてますか………そ………は…………き……………で………す……は………れ…………さ……ザザ…ザッ』
小さな少女。
ソラは、せきをする。
何度もせきをする。
何だか空気がよくない。
ソラは白い砂の中の機械を手に取る。
隣に犬の姿がある。
彼はルー。
ルーもせきをする。
「………何だろ?これ?ルー?けほっ」
『聞こえてますか?聞こえてますか?…………は……く………い』
ソラは答えてみる。
「聞こえてます。けほけほ…あの、あなたは?誰ですか?」
ルーは、辺りを見る。
「それを持って、ここを離れよう」
「離れるの?けほっ」
「離れる」
ソラは機械を持ち、離れる。
走っていく。
『聞こえてますか?安全建物が赤い色の地面を踏めば現れます。どうか、そこに入ってください』
ソラは赤色の地面を踏むと建物が現れる。
そこへルーと入る。
建物内は窓もない。
クリーム色の壁。
機械から声がする。
『出ないでください』
ソラとルーはその中でジッとする。
「ねー。ルー。みてみて!ボールがあるよ!遊ぼう!」
ボールを地面へ向けて投げる。
ルーは反射的に、ボールを飛ばす。
ソラの後ろへボールが飛んでいった。
「あ……るー……つよい」
何分かボールで一緒に遊ぶと。
機械から声がする。
『外へ出てもそろそろ大丈夫です』
ソラは出ていく。
そこには白い砂はない。
オレンジ色の砂となっている。
機械は声がする。
『では……………そこにいた方。安全なる旅をしてください』
機械はもう音がしない。
ソラはいう。
「あ……音しないね。ルー」
ルーは静かにいう。
「そうだな……その機械は置いていこう」
「置いていくの?」
「次にも誰か来るかもしれないから………その誰かが聞くために」
「あれ?そういえば!せき出ない!よかったー。ルーは?出ない?」
「出てないな。そういえば……」
「わーい!息しやすーい!行こう!ルー!走っちゃうよ!」
ソラは走りだす。
ルーは声をかける。
「走ると………」
ソラは転んだ。
起き上がり笑う。
「転んだ!」
ルーは静かにいう。
「大丈夫か?」
「地面痛くないから大丈夫!」
「おぬしは本当に元気がいいな」
「うん!元気元気!ルー行こう!」
ルーは静かにソラの方へ行く。
二人は一緒に行く。




