暗業の話
暗号を探す青年アキオは、自分の暗号を探す。
自分だけの暗号を見つけないといけない。
旅をするのはそれが理由。
自分の暗号を見つけろと里からいわれ、彼は旅する。
別にいわれただけじゃなく、彼も自分の持つ暗号を見つけたいのだ。
里では暗業ともいうらしい。
アキオは、地面にふれたり、壁に触ったりと門や他にも布団や枕などをさわる。
そういうことで自分の暗号が見つかるらしいが、かれこれ五年が経つ。
「なぜ見つからない……帰れないじゃないか!?」
里では暗号を知るまでは帰れずである。
このまま外で生きるのもありだが。
暗号のある限り、外で生きることはならない体のため。
とりあえず探す。
見つからないというのも、良さそうだ。
が、ならない。
ので、探す。
「くう………」
ソラとルーがそこを歩く。
アキオはもう必死に触り、ルーを持ち上げる。
「な、何だ?」
アキオは何かを持ち上げてしまい、驚く。
「え!」
ルーは静かにいう。
「何か用か?」
「い、いや!ごめん!というか!誰!?」
「持ち上げてといてその台詞か」
「ご、ごめん……暗業を探してて」
「暗業?暗業の里の者か?」
「知ってるのか?…………ん?」
持ち上げた。
触っていた。
紫と黒色の渦がルーのまわりから現れるとアキオへ、吸い込まれる。
「あ………」
アキオの前に
“隠”という言葉が現れる。
「隠す………?俺の暗業?んー……隠すって……」
ルーはいう。
「よかったな」
アキオは何となく下を向く。
「もっとかっこいい暗業がよかったなあ……」
ソラは目を輝かす。
「何ですか!今の魔法ですか!すごいです!」
アキオは褒められ、照れる。
「隠もいいかもな…俺里へ帰るよ」
アキオは行ってしまう。
ソラとルーはアキオを見つめた。
「ルー。あんごうって何?」
「暗業の里があり、そこでは暗業を一人ずつ持つらしい。たしか…八年以内に見つからなければ暗業に飲み込まれるらしい」
「なんかこわい」
「あの里の者から聞いた。暗業を持たぬ方が幸せと話していた。あの者と似ていたから彼の父親だったのかもしれないな」
「ふーん。そうなんだ」
ソラとルーは歩いていく。
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アキオも里へと帰る。
アキオは何となく思い出す。
「そういえば…あの小さい犬………父さんも何かさわって、暗業を見つけられたっていってたような……気のせいか」




