花粉の話
浮かぶ小さな犬。
ルーは、急にくしゃみが出る。
「…………っ…」
ルーは回りを見る。
何かしら花粉が飛んでいるようだ。
目までこすりそうになるがこらえる。
小さな少女、ソラは何もなく平気のようで声をかける。
「ルー……。大丈夫……………?」
ルーはくしゃみが止まらなく、遠くへ行く。
止まらない。
「ルー……大丈夫じゃないね……」
「何が原因か分からないから本当に………っ……」
音を立てないくしゃみを繰り返す。
ソラは回りを見ると、歩いていく。
そうして荒野で声をかける。
「ルーにくしゃみをさせてるのは誰ですか?」
ルーはくしゃみを繰り返しながら、答える者などいないだろうと思う。
「あ、それ僕でっす」
答えた。
誰だ。
そこには三つの何だかデコボコした生物がいた。
「あー。でも、僕花粉とか飛ばしてないでっすよ?飛ばしてるとしたら、あ、これでっすねー」
三つのデコボコから何かの甘い香りがする。
ソラは質問する。
「いいにおいです!」
ソラはジッと生物を見る。
「いやー。甘い匂いによって、ほら来た来た」
三つのデコボコの元へと来たのは。
何だか透明なディスクの形をしている生物?が来た。
それらは三つのデコボコへ太陽の光を当てている。
ソラは質問する。
「何してるんですか?」
「あ。これはでっすね、こうして成長させるでっすよ」
「そうなんでっすねー!」
ソラまで真似してるし。
ルーは静かに見つめる。
「そうなんでっすよ」
「なるほどでっすね!」
ルーはそこへ話しかける。
「我はくしゃみが止まらないのだが、その原因はあなたなのか?」
三つのデコボコを持つ生物はニカッとする。
「そうでっすね。すまねっすー」
と、行ってしまう。
ルーはくしゃみが止まらない。
ソラは手を振る。
「さよならでっす!」
ルーはソラを見る。
「おぬし。楽しそうだな」
「そうでっすよ!」
「そうか。にしてもくしゃみ…………っ………」
ルーは止まらない。
ソラは止まらないルーを心配そうに見る。
「ルー……………止まらないでっすね…」
「そうだ…………っ…………!……っ………………」
ルーはまだくしゃみが止まらない。




