見つけるための話
小さな少女。
ソラは、荒野を歩く。
「ルー。荒野は今日も広いね!さあ!行こう!」
小さな浮かぶ犬。
ルーはソラの隣で静かにうなずく。
「おぬしは元気だな………。」
ルーはどうやら腕を伸ばす。
「広いからね!元気でいないと!元気で!」
ソラが歩くと、誰か来る。
一人?いや、何人も?来る。
来たのはピンク色のメイド服を着用する少女たち。
ソラはその服のかわいさにいう。
「かわいい服です!わあ!ピンク色です!あ!お姉さんたちもおきれいです!」
少女たちは全員同じ顔で頭を下げる。
「お褒めにあずかり光栄です」
全員は頭を下げてきて、ソラはあわあわとするが。
ハッとする。
少女たちは何かを手に持っている。
何だろうか?
何かの装置の破片のようなもの。
ソラは質問する。
「お姉さんたちは何を持っているんですか?」
ピンク色のメイド服を着る少女たちは答える。
「あの方の形の破片です」
「はへん…………」
ピンク色のメイド服を着た少女の一人がソラへ質問する。
「私の持つ、この破片見たことない?」
他の少女たちとは少し違う印象を持つ少女に聞かれるが。
見たことのないため、ソラは答える。
「見たことないです」
「そっか。んじゃ、用ないわ。ほら。みんな行くよ」
彼女の言葉に全員が答えていく。
「はい。お姉様」
と、行ってしまう。
ソラは行ってしまったと思うが一人は残る。
残っている?
ピンク色のメイド服の少女はいう。
「あなた。お持ちしていますね」
ソラは「も、持ってません」というが。
少女は走ってくる。
ソラは目をつぶるが。
少女はソラを通り過ぎる。
ルーを狙う。
少女はルーの前へと来ると一度止まり、体をねじらすようにして蹴りを入れようとしたが、ルーはヒョイと後ろへ下がる。
「我は持っていない」
「いいえ。あなたからは………」
そこへ、少女の頭へトンット軽くチョップが入れられる。
ピンク色のメイド服姿の少女が戻ってきていた。
「何してんだ?」
「こちらからあの方の破片の気配があります」
少女がいうので、戻ってきた彼女もルーを見る。
「………これはまた。似た気配?気づかなかった。私もまだまだだな」
「え?」
ソラはわたわたする。
ルーはピンク色のメイド服の少女を見る。
彼女はいう。
「お前。特殊な存在だろ?そうか。似ているだけだ。行くぞ。ちゃんと謝っておけよ?」
ピンク色のメイド服の少女。ルーへと攻撃しようとした少女は頭を下げる。
「す、すみません………」
ルーは答える。
「気にしていない」
ソラはやっと声を出す。
「あなたたちは何ですか!?」
ピンク色のメイド服の少女の一人が深く頭を下げる。
「私たちは見つけなければならないのです」
「見つける?」
ピンク色のメイド服の少女は柔らかく笑う。
「命の恩人であるあの方を見つけなければならないのです」
少女たちは手に破片を持ち、一人の少女をのぞいて、全員が同じ顔で笑った。
ソラは正直ゾクリと寒気がした。
ソラへと彼女たちと同じ顔でありながら笑い方の違う少女はいう。
「ま、ま。ごめんねー。怖がらないでよ。みんなね、見つけたいのよ」
ソラはピンク色のメイド服の少女たちと別れた。
ソラはでもよくわからない。
「むー。ルーに攻撃するのはよくないよ!絶対!」
ルーは攻撃されそうになった本人だが落ちついてる。
「別に気にしていない」
「えー!気にしないの!?ルー!?」
ルーは空を見る。
「見つかることを願う」
ルーがいうので、ソラはむうとしてたが笑う。
「…ルーがいうなら、見つかるといいね!」
上を向くと青空が広がっていた。




