一つの星の話
真っ暗な空に星がある。
それを見つめる男性がいる。
彼は星を見つめ、それを日記帳に書き、旅をしている。
彼が今見てるのは。
二つのハート型と蕾のような形がつながる形。
その星は輝き、けど一つしかない。
この場所の空ではこの一つのみが空に耀いている。
彼は一つしかない星に自分も一人きりだなと感じる。
そこへ、明るい声がした。
「ルー!見てみて!空に一つだけ星?あるよ!」
男性に近づいていていき、ソラは目が合うと笑う。
「あ、お兄さん、えっとこんばんわです!」
明るい声の女の子ソラだ。
ソラは星を見上げる。
一つしかない。
「星っていっぱいじゃないのかな……?」
男性は静かに話しかける。
「ここの星は一つ…みたいだね。君はここの子かい?」
ソラは胸元に手を当てて答える。
「旅をしてます!ここの子じゃないです!ソラです!」
「そっか、ソラさんだね。僕も旅してるんだ」
「旅をしてるんですか?どうしてですか?」
「うん。その、僕。星が好きで色んな場所で星を見ようと思って、旅に出たんだ。色んな星を見たよ」
「星を見るためですか!?すてきですね!他にも星ってどんなのあるんですか!?」
彼はそれを聞かれてしまっては。
「まず、僕のいた場所は星のない大陸で、星を知って、見てみたいと思って、旅に出たら…………」
長い話が始まった。
二つの星がある大陸。
海の中でしか見れない貝の形の星。
七つの星が空に浮かび、全てが重なることで花が現れる星。
赤色の下から上へと流れる星。
ソラは見たことのない星にワクワクする。
そんなにも星はあるんだ。
ということは、この世界の普通なんてないんだ。
ソラはワクワクした。
想像できない星に。
ソラは空を見上げる。
まだ男性はしゃべる。
「他にも……………はっ!すまない!しゃべりすぎたね!ごめんよ!星がその、きれいだから………」
ソラは顔を振る。
「楽しく話してて、聞いてて楽しかったです!わあ、わあ、そんなにたくさんあるんですねーわー。なんかうれしいです!聞けて本当にうれしいです!」
ソラは純粋に笑う。
男性はホッとして上を見る。
一つだけの星。
まさか、一つの星の時に誰かと見られるとは彼は思ってなかった。
彼はつぶやく。
一人でつぶやいたのだが。
「きれいだな」
ソラは笑顔で見上げ、答える。
「きれいですね!」
一人で見上げてた彼は誰か。
ソラと星を見た。




