表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の存在  作者: 進道勇気
151/215

心の話

こころとは、いたいものらしいです


こころとは、かなしくなるらしいです


こころとは、ちのでない、いたみらしいです



私には見えないのです

誰をどなっても

誰を悲しませても

心が見えないのです

私は心に寄り添えないのです

私は優しくできないのです


こころのなみだがみえないのです


こころのいたみがわからないのです


じぶんのこころのいたみでさえわからないのです


だから、心がわからないのです




私に見えるのは表だけ

裏は見えなくて、勝手に決めつけて、知ろうとしなかったのです


__________


小さな少女と小さな犬は一緒にいる。

ソラとルーだ。

そこへ、青のピン留めを赤の髪にした少女が来る。


「あ、あのあの………」


彼女は、ソラとルーへ話しかける。


「あのあの!私に心をくださいです!心が欲しいのです!」


少女は、そういう。

心が欲しいという。

ルーは静かに答える。


「渡せない。……それに、心なんてない方がいい」


「え?そうなのですか?どうしてですか!?」


ルーは静かに答える。


「心なんて持たないで生きてる方が幸せだと我は…思う」


ソラはそこへ、ズイッと入ってくる。


「ルー!何いってるの!心は大事だよ!」


ソラは少女へと笑う。


「心はあげられません!でも!心は大事なものです!」


少女は、あげられないといわれ、ガックリとするがあわてて前を向く。


「あのあの、心の温度が欲しいのです…少しだけ欲しいのです」


ソラは不思議がる。


「こころのおんど、ですか?」


少女は話していく。


「私の心はない感じだから、誰かの温度が少し欲しいんです。少しだけもらうことはできませんか?」


ソラは即答。


「少しなら!どうぞです!」


ルーは隣にいる。


少女は、ソラの手のひらに自分の手の平を合わせる。


ソラの体からフワリと浮かぶのは温かなオレンジの色。

色は柔らかな輝きをもち、丸い気泡の中に七つの黄色の花びらが現れている。

それはフワフワと浮かんで、少女の胸元へとゆっくりと吸い込まれていく。


ソラは目をキラキラさせてる。


「何ですかこれ!?何ですかこれは!?」


少女は温かさを持つ心に目を開く。


「あったかいのです………あなたの心の温度です」


「!…そうなんですか!?」


少女はニコッとする。


「温かい心をありがとうございます!」


ソラはお礼をいわれ、照れている。


__________


それから、少女とお別れした。

ルーはいう。


「前は魂の者と会い、次は心か」


ソラは笑顔だ。


「うん!」


「体調は悪くないか?」


「なんかね!元気出てる!よーし!行くよ!ルー!」


ソラは走りだす。

ルーは冷静にいう。


「転ぶぞ」


「大丈夫だよ!ルー!早くー!」


ソラは荒野を駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ