荒野の話
ソラが荒野を歩いている。
空は黒。黒色で、光がない。
光がないからか、電灯がつけられている。
その先に女性がいる。
女性の隣に机がある。
机へとソラは近づく。
机は電灯に照らされている。
机の上にあるのは。
太陽と月の形をしたものが置かれている。
太陽は青色で月はオレンジ色。
隣の女性はほほえむ。
ソラは小さく頭を下げる。
下を向くと、机の中央がへこんでいる。
女性はソラへ話しかける。
「太陽か月、どちらかをここへ置きませんか?」
「太陽か月………ですか?」
「ここではどちらかを選ぶために戦いをしました。それによって悲しみがうまれました。なので、この場所に関係のない方に置かれるなら戦いなどしなくていいと…なので」
女性はほほえむ。
「太陽と月、どちらかを置いてほしいんです」
ソラはじっくりと考える。
考え、青色の太陽をへこみに置いた。
女性はそれを見て、笑う。
「太陽…ですね」
青色の太陽を置くと、空へと光の線が上がる。
黒の空はオレンジに染められていく。
そこに、一つの青色の光が現れる。
青色の太陽だ。
ソラは、その光景にいう。
「わー。きれいー」
女性はにこりとする。
「私は青色の太陽でも、オレンジの月でもどちらでもいいんです」
ソラは質問する。
「どっちでもいいんですか?」
女性は一度、眉が下がった気がした。
「はい。私はどちらでもいいんです。…私たちはお互いにわかりあうことができないみたいなんです。私はこの場所が平和ならなんだっていいのに」
ソラは机を見つめる。
青色の太陽とオレンジの月。
そっと、二つに同時にふれる。
「………どっちも好きです、私」
女性は頭を下げた。
「選んでくれてありがとうございます」
ソラもあわてて頭を下げた。
「あ………いえいえ!です!」
ソラはオレンジの空に浮かぶ青色の太陽を見ながら歩き出した。
女性と別れるとルーが現れる。
「不思議な空だな」
「うん、不思議だねー」
と、ソラとルーは進んでいく。




