期間の話
「期間までに終わらせましょう」
「期間は守りましょう」
「期間は常に確認しましょう」
「期間は忍耐で乗り切りましょう」
「期間は聞きましょう」
「期間が……………」
そんな声がずっと聞こえる。
ソラはどこかにいた。
ルーはソラの隣にいる。
ここは、崩れた建物が多く砕けていて地面に破片が落ちる。
「期間を守らないのは必要ないです」
「期間のために余計なことは考えてはいけません」
「期間のために…………期間は………」
どこから聞こえるのか。
ソラはキョロキョロしても誰もいない。
ルーへという。
「ルー。どこから聞こえてる?」
ルーはまわりは見ずにいう。
「どこだろうな…」
声はしている。
「期間を………期間を………守らないなら………」
その声の次の瞬間。
ガチャアアアン。
崩れた建物目がけて多くの銀色の破片がぶつけられた。
ソラは目を開き、止まる。
「期間を守らないなら…………………いらない」
ルーはハッとして、ソラの背中を飛ばす。
ソラは飛ばされ、その後ろを銀色の破片が落とされる。
ソラは当たってないが、「ルー!!?」と叫ぶ。
ソラはルーを呼ぶ。
ルーは…………。
ソラはキョロキョロして走る。
「ルー!?ルーーー!」
ソラは涙を目にためるが。
「我はここだ」
その声にソラは振り向くとルーが空中を浮いている。
ソラはルーを抱きしめる。
「ルー!痛くない!?」
「我は何ともない。おぬしの抱きの方が強い」
ルーは。
なんていっていたが。
「おぬし。ここを離れるぞ」
「え?」
そこへ、声が鋭くなる。
「期間を守らない、人の話は聞かない、早く終わらせられない…………いらない、いらない……いらない!」
ソラは、走って行くと、後ろを向く。
ガチャアアアン
ソラのいた場所に銀色の破片が突き刺すように落ちてきた。
「…………ルー」
ルーは静かにいう。
「行こう……先へ」
ソラは頷く。
「うん」
その後ろでは。
「期間は守りましょう」
「期間は命を捨ててでも守りましょう」
「期間は命を捨ててでもやりきりましょう」
「期間は……………き………かん………は………き、きき………きか……ん………きき………」
その声はずっとしゃべり続ける。




