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空の存在  作者: 進道勇気
145/215

思いつかない話

………………………………………………………


……………………………………………………


……………………………………


………………………


……………


思いつかない。

思いつかない。

思いつかない。

思いつかない。


………………………………………………………

……………………………………

……………………

…………



人差し指を伸ばす。

伸ばすと緑の服の少女は、つぶやく。

その人差し指は、俺の背中にふれる。


「思いつかない……………?」


少女は、俺へと話しかける。


俺は思いついていることが生きるための必要なこと。


俺は思いつかない。


緑の少女は、俺の背中にツンツンと指をふれてくる。


「ねえ、思いつかない…?」


俺は、振り向く。

彼女へという。


「思いついていたい。力をくれないか」


緑の少女は、俺を見つめる。


「自分で考えなきゃだめ………」


「思いついていたいんだ。それは、もう俺だから」


緑の少女は、俺の耳元へ唇を近づける。

彼女は、甘く静かな言葉を使い、ささやく。


「思いつきたい力あげる」


俺は、思いついてくる。

考えてないと俺は俺じゃない。

とにかく思いついていたい。

それがもう俺だから。


俺は地面に文字を書いていく。


思いついてきた。

思いついてきた。


彼女がいれば何だって思いつく。

彼女さえいれば。


「思いついてきたぞ………これで、」


____________


彼は永遠に地面に文字を書き続ける。

理由は一つ。

その一つしかしたことがないから。

彼は、昼はそれでも出かけるが、帰れば時間があれば書き続ける。


隣の緑の少女は、静かにけど、眉を下げ、聞く。


「思いつかない…?」


「思いついてきた。お前のおかげだ、俺は、また思いつける………思いついてないと、俺は…」


彼の顔は蒼白だ。

緑の髪の少女は、彼の手にふれる。


「もう…やめよ………?もう、思いつかなくないでしょ………?ね………?」


彼は、手を止めない。

止める気もない。


緑の少女は、困っていると。


そこへソラとルーが来る。

ソラは、ガリガリと地面に何かを書く男性に気づく。

寄ってくる。

ソラはいう。


「?何書いてるんだろう」


緑の少女は、男性の手にふれて強くいう。


「もう、やめて……思いつかなくないでしょ………?ね?やめよ…?」


男性は無視だ。

いや、気づいてない。


「………!」


ルーは何となく、男性を気絶させる。

パタリと倒れた。

緑の少女は、男性の横にいて、手を握る。

ソラも座る。


ルーは聞く。


「この男はどうしたんだ?」


緑の少女は話していく。


「彼は………思いつかない能力を持って生まれたの。思いつかない彼は……思いつかないの。力がないという…力を持ったの………」


緑の少女が話してるがよくわからない。


「だから、思いつく力を私が渡して…………るの」


「あなたが、か?」


緑の少女は話していく。

地面の文字を見つめる。


ルーは質問する。


「どうしてだ?」


「思いつく力を持って………生まれた…けど。私は思いつく人たちになんてなれないから…彼を見て………同じだなって」


ルーは緑の少女のどこか悲しげなのにうれしそうな顔をした彼女に何だか胸が痛む。

ルーはいう。


「あなたはこれからどうするんだ」


「私は…………思いつく…力持つだけ…だから……」


ルーは静かに思ったままいう。


「力があって、力になっているなら…共に協力出来てるんじゃないか?わからないが」


緑の髪の少女はうつむく。

倒れる彼の手を握る。


彼は目を覚ます。

緑の少女は、彼の手を握る。


「思いつかないのは嫌だ、」


彼は書く。

緑の少女は、止めることを考えていたが、やめる。


なら、


緑の少女は彼の隣で手を握る。


「私も………一緒に書く………」


彼は目を開く、が。


頷く。


「たのむ………」



ソラとルーは二人並ぶ姿を見て、行くことにする。


緑の少女は、ルーへ頭を下げた。


ルーも頭を下げて、行ってしまう。

ソラはいう。


「ねえねえルー。あの人は何書いてたの?」


ルーは静かにいう。


「知らん。だが、色々あるんだろう」


「ルーわかんないの!?」


「知らん」


ソラは、「そっかー」という。


ソラは、ニコッとする。


「でも二人なんだね!」


「二人なんだろうな」


ソラは、ルーの手にふれる。


「私もルーも二人!行こう!」


「…ああ」


ソラとルーは青空の下を歩きだす。

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