プラスドライバーの話
俺は今、走っている。
工場外。
工場がひしめきあう場所で、俺は外にいた。
理由は段ボールを外で運んでいて、箱を開ける。
そうすると、工具用。
二十センチのプラスドライバーの形が空中に浮かぶ。
のに、今度は別の空箱へとドライバーを入れないといけない。
俺は空中に飛んだいくつものドライバーを空箱を持ちながら、掴もうとする。
ドライバー
目の前。
掴め…………
手の中にいない。
逃げた!!
ドライバーは、逃げていく。
俺以外もドライバーを追いかけて走りまわっている。
他はうまい具合に箱の中に入れていき、工場内へ入っていく。
待ってくれえええ!
俺の所へ金色の髪の黒のエプロンをつけた少女と小さな少女が来る。
「ドライバーは、まだ浮いてるね……」
少女は、最初はニッコリ、が。
「早くしてくれるかな?検品、シール貼り、箱詰めが出来ないんだけど」
「すいまっせん!今すぐに!!!!」
_______________
小さな少女は、ソラだ。
ソラは、工場地帯にいた。
走りまわっているのは少年。
ソラも、ドライバーを捕まえに来た。
一日仕事でお金を稼ぐためだ。
旅にお金はほぼいらないのだが。
もし、宿に泊まりたいなら少しばかりはいる。
金色の少女は、俺に若干苛立っている。
「早くしてくれるかな?というか、何年もしててまだ慣れないの?」
俺はドライバーを追いかけて捕まえるの、苦手だ。
逃げんなって!
待ってくれえ!
早くしないと間に合わないんだ!!!!!
金色の髪の少女は、ドライバーを綺麗な円を描くように掴み、俺の箱の中へ入れる。
俺を見る。
ニコリとする。
「頑張ってね」
あの笑顔はだめだろううううう!
頑張ります!!!
はあ、俺の心が、心が
ぐう!
「待て!ドライバー!」
ドライバーを捕まえるときの基本は空箱を手に持ち、上からかぶせる。
が、俺はつい、手で掴もうとしてしまう。
ドライバーたちは、空中で硬さのある10の数字の形を描くようにように、浮いている。
が!ドライバーは、逃げるのなら!
俺は!!
後ろへと下がると、思いきり走る。
空箱を両手で持ち、
「入れええ!」
と、叫び、走るが転ぶ。
「ぐう………ここはかっこよく!だろ」
金色の髪の少女は、俺の方へ来ると、膝をつく。
ばんそうこうをポケットから出し、俺の手首に貼る。
「ケガは…しちゃだめよ……?」
と、心配そうに顔をのぞかれる。
俺はすぐに立ちあがり、箱を持ち、ドライバーを捕まえようとする。
かっこよく。
が、ならない。
なんでだあ!
金色の髪の少女は、ソラへドライバーの捕まえ方を教えている。
ソラは、ドライバーへ声をかける。
「ドライバーさん!つかまえちゃいます!」
ソラの純粋な笑顔。
ドライバーは、そんな顔を向けられると。
ドライバーは、ソラの持つ空箱へと入っていく。
俺は
え?
え?
ドライバーは、全て入っていく!?
自分から!?
俺はガックリする。
でも、これからシール貼りだ。
俺は金色の髪の少女へ話しかける。
「俺。箱詰め行ってもいいですか?」
金色の髪の少女は。
にっこり。
「シール貼りお願いできる?」
「…………はい」
シール貼り苦手なんだよな。
だが!
俺はかっこよくいう。
「なら、俺のシール貼りをご覧あれ!」
俺はいうと、ソラと金色の髪の少女は行ってしまう。
「待ってくださいいいい!かっこつけたかったんです!」
俺はシール貼りへ向かった。




