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空の存在  作者: 進道勇気
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もし、ルーがこうだったらな話

ルー。

小さな犬。

いつもなんか冷たい。

冷たい。


「我に構うな」


それがルーだ。

なら、もしもルーが違ったら…………。


ソラとルーはいつも通り歩いているとルーへ、バコンッと、フワフワなカタマリがぶつかる。


ソラはビックリする。


「ルー!大丈夫!?」


ルーは静かに上を向く。


「………………………」


ルーはポケーッとしている。

ソラは心配する。


「る、ルー?」


なんか変な?

ルーは口を開く。


「小さなかわいらしいお嬢様」


ソラは口をパカッと開いてる。

ルーはソラの手にふれる。


「ソラお嬢様。我はいつもあなたへ冷たく接していますが心配なのです。いつもいつもいつも………我は…………」


ソラは口が開いてる。

ルーは続ける。


「我はあなたを守りたい。ですが、あなたは一人で戦えなければ生きていけません。だからこそ冷たくしてしまうのです。申し訳ありません」


ソラはハッとする。


「る、ルー……そうだったの!?そっか!あ…ルー!私のこと好き!?」


ルーは言葉を続ける。


「我はソラ。あなたのことをいつも思っています。ですから我はあなたのことを…………」


ソラは、ワクワクしてる。

が、フワフワなカタマリがパアンッと出ていく。


ルーはうつむいて、前を向く。


「我は………どうしていたのか?」


ソラは聞く。


「る、ルー!私のこと好き?」


「…………我がおぬしを?」


「うん!」


ルーは静かに答える。


「……………嫌いではない」


「なんでええええ、さっきまで心配とか!いってたのに!」


ルーは思い出した。

思い出して、後ろを向く。


自分の言葉に。

ルーは。


「…………あれは我ではない。あれは……あれは………」


ルーは言葉が止まる。


ソラは、ルーのことを抱きしめる。


「ルー!好きだもんね私のこと!心配なんだねー!ソラってよんでくれたしー!」


「よ、よんでいない………」


「よんだよ!よんだもん!」


ソラはギューッとする。

ルーは、うまく何もいえない。

いえない。


「………………っ………よんだ…のか?」


ソラは強くうなずく。


「うん!よんだ!ルーに好きっていわれたかったー!」


ルーは抱きしめられる。

特に何もいえない。


「えへへー!ルーがいわないなら私が大好きーっていうんだからねっ!」


ルーは静かにしている。


ソラとルーを明るい空が見守るように照らしていた。

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