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空の存在  作者: 進道勇気
139/215

話の話の話の話

話 話



はなし


話が聞こえる。


誰の声か分からない。

何を話してるかも分からない。


ソラは、青色の森の中にいた。

そこでは、たくさんの声がして、話し声がする。

話し声はゴチャゴチャで、頭がおかしくなりそう。

ソラは、耳に手を当てる。


「おっきい……こえ……………」


ルーはソラの隣にいる。

耳が良いルーには更に話が聞こえてくるのは本当は耐えられない。




話 話 話





騒がしい。

うるさい。

うるさい。

ソラは、耳を塞ぐ。


「…………うう………ルー大丈夫?」


ルーは、いつも通りだ。

それでも。


  話

話 話 話


話 話 話


話 話 話 



しゃべり声。


      話

        話

          話

        話


       話 


    話    



話が混ざる。

混ざる声はルーの頭に痛みを起こす。

だが、ルーは消えはしない。

ソラの隣にいる。


ルーは平気という風に話す。


「我は平気だ」


「ルー………。」


ルーはソラの近くにある。

声がどれほど混ざっていても。 

どれだけうるさくても。


ルーはソラの近くにいる。

近くにいる。


_____ピタリ


声がやんだ。

聞こえない。

突然。


ソラは、なぜかゾクリとする。

なんなのか。


ただ、後ろを向かない。

ソラもルーも黙っていく。

が、また声がした。


_________________

話が聞こえる。


誰かいる


誰か来た


追い出せ


誘い込め


ほら


嫌だよお


まだいるぞ


呼べ


ほらほら、いるぞ


来てる来てる


さらにさらにさらにさらに


ここにここにここに


出ていけ


出ていくぞ


さあ、いなくなった

__________


ソラは、耳を塞ぐのをやめる。

森から出て、後ろを見る。


「声……………聞こえなくなったね」


ルーは静かにいう。


「そうだな」


ルーは、耐えていた。

話は、耐えられない程だが。

ルーは耐えた。

ソラを一人にしなかった。


「ルー………声大きかったでしょ…」


「我は何ともない」


「嘘だ、ルーはつらかったと思う」


ソラは、ルーの頭をなでる。


「でも、そばにいてくれるルーのこと好き!」


「…………………」


ルーは黙る。

ソラは、なでている。

ソラは笑顔でいう。


「私、ルーのこと大好き!」


ルーは顔に一つも出さない。

だが、一言。


「………そうか」


話はもう聞こえない。


でも、ソラとルーは一緒に行く。

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